概要

自動車産業に特化した品質マネジメントの国際規格であり、測定・校正に対する固有の要求事項があります。
特に試験所要求事項では、ISO/IEC 17025認定校正が要求事項として上げられており、解析方法および合否判定基準は、コアツールのMSAに「適合」することが述べられています。適用範囲は広く、自動車完成車メーカーや1次サプライヤーのTier1メーカーだけではなく、自動車産業サプライチェーン全体にわたって適用することが望ましいとされています。また、近年CASEなどの自動車の高機能化に伴い、電子部品や半導体の搭載が増加しています。そのため、電子部品業界での同規格の採用も増えています。
IATF 16949:2016は3層構造となっており、ISO 9001:2015をベースとし、自動車産業固有の要求事項、更に顧客が指定する個別の要求事項が加わります。

「顧客固有要求事項（CSR）」：IATF 16949:2016規格に記載はなく、顧客ごとに指定
「ISO 9001」及び「自動車産業固有の要求事項」：IATF 16949:2016規格に記載
 

規格の構成と測定に対する要求事項

構成

ISO 9001:2015と基本的には同じ構成ですが、各章に自動車産業固有の要求事項が追加されています。

測定に対する要求

「7.支援」で言及され、さらに「7.1資源」の「7.1.5 監視および測定のための資源」で詳細が確認できます。

測定に対する要求事項

IATF 16949:2016「 7.1.5.3 試験所要求事項」では、自動車産業固有の要求事項として試験所要求事項が規定されています。組織が校正を内部で行う場合(内部試験所) 、校正を外部機関を利用して行う場合(外部試験所)において校正に関する要求事項が規定されており、ISO/IEC 17025の記載があります。