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風力発電タービンの検査時間を短縮するヒント


照明や操作性、耐油性が優れていると、風力発電タービンギアボックスのビデオスコープ検査の時間短縮や検出能力向上に役立ちます。オイル除去チップアダプターを使用すれば、毛細管作用でレンズから潤滑油が流れ去るので、スコープの先端が潤滑油と接触する度に作業を止めて先端を引き抜くことなく、ギアボックスの検査を続行できます。

風力発電タービンギアボックスの内部検査は、ビデオスコープ検査の中でも特に時間がかかり困難なものです。大空間、暗い空間、反射する金属表面、潤滑油があるといった条件が組み合わさり、欠陥検出作業を難しいものにしています。

特に風力発電タービンのギアボックスは、その過酷な運転条件により損傷を受けやすくなっています。高速かつ高い応力が掛かるという状況は、小さな欠陥でもギアボックスの故障やタービン火災に容易につながる恐れがあることを意味します。振動センサーなどの測定ツールでも損傷がないかを継続的にモニターすることができますが、ギアボックスの状態を徹底的に分析できるのは工業用内視鏡検査(RVI)だけです(図1)。では、ギアボックスの検査時に検査員が注目する箇所はどこでしょうか。

ギアボックス内の検査

図1:ギアボックス内の検査

タービンの検査員は、ギアボックスの損傷をすばやく効率的に検出する手段としてビデオスコープを使用します。

風力発電タービンギアボックスの内部

ギアボックスは、ブレードや低速軸による遅い回転を高速回転に変速し、発電装置を駆動します。このプロセスは一連の変速装置で行われます(図2)。検査時は、ギアの歯や軸を支える軸受などの各変速装置を徹底的に調べる必要があります。

標準的な風力発電タービンギアボックスには、低速軸、中間軸、高速軸の3つの軸があります。低速軸はブレードによって直接駆動され、1分間当たり20~30の回転数(RPM)で回転します。ただし、悪天候の場合、低速軸は強風による余分な負荷を緩和する必要があります。一方で高速軸は、悪天候からの保護には優れているものの、1500~1800 RPMで損傷を受けやすい状態になります。

3つの軸はすべて、横移動を防ぐことにより別の軸を支えるステージ軸受に囲まれています。こうした軸受の一部、特に低速軸を支える遊星ステージ軸受は、検査員の視角からは検査しにくい場所にあります。

高速化

図2:高速化

タービンの発電装置は、ブレードの回転を一連の変速装置を介することで駆動します。

オイル除去アダプターによる鮮明な画像

すべてのギアと軸受は、作動時に潤滑油で滑りをよくします。したがって、検査時にはビデオスコープの先端が潤滑油に接触して画像がぼやける恐れがあります。このような場合、検査員はスコープ先端を引き出してクリーニングし、ギアボックスに挿入し直してから、検査していた位置を探す必要があります。別の方法としては、検査の開始前にギアボックスから潤滑油を排出することができますが、検査時間全体が長くなることに変わりありません。

検査時間を短縮するために当社が開発したのが、オイル除去アダプターですこのチップアダプターを使うと画像がぼやけないため、スコープの先端に潤滑油が付いても心配がありません。アダプターの毛細管作用によってレンズから潤滑油が流れ、側面にある溝に排出されます。つまり、スコープの先端がギアボックス内にある状態のまま、アダプターを指でたたいたりクリーニングしたりしなくても、レンズから潤滑油が流れ去ります。

IPLEX G Lite-Wビデオスコープの優れた照明と操作性

ギアボックスの隅々まで到達し、各種構成要素の状態について信頼性の高い情報が得られる画像を取得するには、ビデオスコープの機能を最大限に引き出して操作する必要があります。重要な機能の1つに照明があります。信頼性の高い欠陥検出のために明るさとコントラストが適切な画像を取得しようとする際、大空間、暗い空間、反射性の高い金属表面、という条件が組み合わさると作業が難しくなります。

視野全体の明るさが不均一になる問題に対処するため、IPLEX G Lite-Wビデオスコープには、照明を自動調整するPulsarPic処理機能が装備されています。この優れた照明処理機能によってギアボックス内の状態に最適な照明が得られるため、ノイズの少ないクリアな画像が生まれ、検出能力が向上します(図3)。

ギアボックスなどの大型システムを高速で検査する上でもう1つの障害となるのは、スコープの先端の操作性が悪いことです。検査中は、対象領域に向かって先端を操作することに多くの時間を費やします。柔軟ですばやく動く湾曲部は、スコープを曲げる時間を短縮できるため、目視検査や画像キャプチャーに多くの時間をかけることができます。

IPLEX G Lite-Wビデオスコープの電動湾曲機能TrueFeelは、適応性のある湾曲部と使いやすいインターフェースが組み合わさり、検査員の視覚と手の連動性が高まります。操作性に優れ、照明が適切に調整されるため、開口部が狭くてもスコープの先端を傷つけずに容易に挿入できます。

スポットライトの照射

図3:スポットライトの照射

優れた照明により、暗い空間での欠陥検出能力が向上します。

要約

オイル除去アダプターが装着されたビデオスコープは、風力発電タービンギアボックスの検査におけるあらゆる複合要素、つまりサイズ、複雑さ、照明状態、開口部の狭さ、潤滑油の存在に対処できるように設計されています。ただし、検査の速度と精度は、適応性のある照明、使いやすい操作性、耐油性といったビデオスコープの主な機能に大きく依存します。IPLEX G Lite-Wビデオスコープにはこうした機能が装備されていて、検査時間の短縮とクリアな画像の生成に役立つため、検出能力の向上と風力発電タービンの安全性につながります。

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