Evident LogoOlympus Logo
事例・お役立ち資料
アプリケーションノート
リソースに戻る

金属破断面の解析ーデジタルマイクロスコープの高深度・高解像力レンズによる高品質な画像取得


金属破断面
金属破断面

金属破断面の解析事例

金属部品や金属構造物が破壊により損傷した場合、破断面を調べることで破壊、破損に至った原因をつきとめる手法があります。この解析手法は破面解析と呼ばれ、破断面に現れるディンプル、スベリ等の各種特徴をもとに原因を解析する手法です。そして、疲労破壊、脆性破壊、延性破壊、腐食疲労、応力腐食割れなどの破壊原因を特定します。また、破断面の中の破壊の方向を推定して、金属部材にかかっていた負荷や応力の状態を推定することもできます。近年、インフラストラクチャーの老朽の進行や、製造業の品質問題の社会問題化に伴い、破面解析の重要性はより高まっており、解析に必要な高品質な画像を得る手段として顕微鏡やデジタルマイクロスコープの需要も高まっています。しかし、破断面は形状が複雑です。そのため、顕微鏡的解析には大きく2つの課題が存在しています。

課題➀:破断面上の特異点を見つけるための観察時の課題

1)対物レンズの焦点深度が足りない

特異点を見つけるためには低倍率で広範囲を観察します。しかし、高低差の大きい破断面では低倍率レンズでも焦点深度が足りない場合があります。そのため、焦点合成という画像処理によって、焦点深度の深い画像を作成していました。その方法は、高焦点画像を取得するひとつの有効な手段ではありますが、リアルタイムで観察できない、画像合成に時間がかかるという弱点もあります。

2)レンズの解像力が低い

従来の低倍率レンズは解像力が低く、複雑な形状の破断面では特異点をクリアに画像化できない可能性があります。

課題②:特異点を見つけた後に解析をするときの課題

高倍率画像の解像力が低い


1)高倍率画像の解像力が低い

特異点を見つけた後は、倍率を高倍率にしてその状態をより詳しく解析します。その際ズームで倍率を大きくしても,クリアな画像を表示できないケースがありました。デジタルマイクロスコープの解像力はレンズの解像力で決まります。 使用しているレンズで見えない破損はズームで画像を拡大しても見えるようにはなりません。その場合はレンズを高い解像力のある高倍率レンズに交換する必要があります。しかし、レンズを交換すると観察位置やフォーカス合わせを再調整しなくてはなりません。

高倍率レンズの焦点距離が足りない


2)高倍率レンズの焦点距離が足りない

ズーム倍率での解像力不足を解消するには解像力の高い高倍率レンズが必要です。しかし、高倍率レンズは焦点深度が点倍率レンズよりさらに浅くなります。それを解消するために上記で紹介した焦点合成機能を使用しようとしても、今度は対物レンズとピント面までの距離が短く、形状が複雑で高低差の大きい破断面ではレンズがサンプルに衝突してしまうケースがあり、使用できない場合もあります。

3)狭い視野範囲と低い画質の画像貼り合わせ機能

破断面はできるだけ広い範囲の状態を観察して損傷の原因を検討します。高倍率レンズは視野が狭く、破断面を広い範囲で観察したい場合、非常に不便です。画像貼り合わせ機能を持った顕微鏡やデジタルマイクロスコープもありますが、画像を貼り合わせた継ぎ目が目立ってしまい、画質が劣化してしまうケースも多くあります。

狭い視野範囲と低い画質の画像貼り合わせ機能
画像の継ぎ目が写っています

4)観察位置の確認が難しい

破断面は似た形状が広い範囲で形成されているケースがあります。そのため、高倍率での観察時にはどこを観察しているのか明確に認識できなくなってしまう場合があります。

デジタルマイクロスコープDSX1000シリーズで解決できること

低倍率による観察時

1)深い焦点深度と高い解像力の専用低倍率対物レンズ

DSX1000シリーズでは多彩な専用対物レンズをラインアップしています。焦点深度が深く、低倍率にもかかわらず高い解像力を持った専用レンズも装備。また、使用している対物レンズの焦点深度だけでは足りない場合には、手元のコンソールボックスについている焦点深度UPボタンを押すだけで、瞬間的に対物レンズの焦点深度を深くすることができます。破断面の低倍率観察で、凹凸の大きい部分があっても、同じピント位置で解像力の高い画像を取得することができます。

従来機との画像比較:DSX1000シリーズの画像は左上部が特異部であることが認識できます

従来機:倍率31X
従来機:倍率31X

DSX1000:倍率30X
DSX1000:倍率30X

高倍率による観察時

1)簡単な対物レンズ交換

低倍率で破断面の特異点を検出後に高倍率で解析する際、ズームだけで倍率を上げるのではなく、対物レンズを高倍率にすることで高い解像力を得られます。DSX1000の対物レンズの交換は、レンズが固定されたプレートをスライドさせるだけのワンタッチ交換方式で簡単に行えます。また、レンズを交換しても観察位置が移動することがないので、ストレスなく広い倍率レンジの画像を観察することができます。

対物レンズの交換はアタッチメントの差し替えのみ
対物レンズの交換はアタッチメントの差し替えのみ

2)高解像力と深い焦点深度を両立した専用高倍率対物レンズ

一般に高倍率レンズの解像力は高いですが、焦点深度は浅くなります。DSX1000では高い解像力を持ちながら深い焦点深度を持った専用対物レンズをラインアップしています。破断面の特異点も高精細で焦点深度の深い画像で解析できます。

XLOBシリーズ
XLOBシリーズ

3)焦点深度UP機能

対物レンズの焦点深度では不十分な場合、手元のコンソールボックスにある焦点深度UPボタンを押すだけで、リアルタイムで焦点深度を深くすることができます。複雑な表面形状の破断面解析においてフォーカスの合う範囲がより広くなります。

焦点深度UPボタン
焦点深度UPボタン

4)高画質な画像貼り合わせ機能

パターンマッチングやシェーディング補正のアルゴリズムを向上させ、従来品のような位置ずれや貼り合わせムラのない、高品質の広範囲画像を実現しました。広い範囲の画像が必要となる破断面の検査解析を高品質の画像で行えます。

高画質な画像貼り合わせ機能

5)観察位置をいつでも把握できるマクロマップ

マクロマップ機能は観察中の位置を常に表示しています。したがって、ズーム倍率を上げて視野が狭くなった場合や観察方法を変えても、これまでの観察箇所を見失うことなく観察することができます。似た形状が多い破断面解析でも、全体のどこを観察しているのかを確認できます。

観察位置をいつでも把握できるマクロマップ

従来機との画像比較:DSX1000は破断面の特徴的な状態を高い解像力の画像で観察できます

従来機:倍率700X
従来機:倍率700X

DSX1000:倍率700X
DSX1000:倍率700X 

Olympus IMS

この用途に使用される製品

高度な光学技術とデジタルイメージング技術を融合した、オリンパスのデジタルマイクロスコープDSX1000シリーズ。解析業務スピードの飛躍的向上と充実した精度保証によりをワークフロー革新を実現します。ISO/IEC 17025認定校正に対応しています。

このページはお住まいの地域ではご覧いただくことはできません。
Let us know what you're looking for by filling out the form below.
このページはお住まいの地域ではご覧いただくことはできません。