1. アプリケーション
複雑な形状のマイクロレンズの金型を製造する技術として、高品質の3Dマイクロストラクチャーを実現するグレースケールマスクが注目されています。このグレースケールマスクでは、複数階調のレーザーを直接レジストに照射して3Dのパターンニングをするため、現像後の状態を3Dで形状測定することが必須となります。形成されたレジスト像の3Dパターンはダメージに弱いため、非接触での測定が要求されます。
2. オリンパスのソリューション
オリンパスの3D測定レーザー顕微鏡LEXTは、非接触でグレースケールマスクの凹凸形状を高分解能かつ高解像で3次元的に取得できます。高N.A.の専用対物レンズと、405nmレーザー性能を最大限に引き出す専用光学系により、凹凸の斜面の形状も正確に捉えることができるため、より信頼性の高い3次元形状の再現が可能です。試料の形状測定のほかにも、レーザー微分干渉により微小凹凸を明瞭に可視化することができます。
凹パターン
対物レンズ50x ズーム1 | 対物レンズ50x ズーム1 | 対物レンズ100x ズーム1 |
凸パターン | ||
対物レンズ50x ズーム1 | 対物レンズ50x ズーム1 | 対物レンズ100x ズーム1 |
参考
グレースケールマスクによるレンズ製造工程
Step 1
- レジスト塗布
ガラスの上にレジストを塗布する。
- 描画(レーザー照射)
複数階調のレーザー光を照射し、ポジレジストを作る。
これにより照射箇所は感光し柔らかくなる。
- 現像液につける
現像して不要な部分のレジストを除去する。ここでの3D形状評価が品質管理上重要である。
Step 2
- 電鋳
レジストにめっきをする。
- エッチング
エッチングでレジストを溶かし、メッキを反転させて原版(金型)の完成。
Step 3
- 原版にフィルムを熱圧着
- インプリント
原版からフィルムをはがし、反転させる。
- 樹脂成型
フィルムに樹脂を流し込む。
- 完成
樹脂を固め、フィルム型から外してレンズが完成。