概要
オリンパスは、フェーズドアレイの適用範囲を拡大し、検出能力の向上とデータ解析の単純化を目的としてIFWR(Immersion Flat with Radius)フェースドアレイプローブをカスタム製造しています。Mistras Group Inc.は検査用複合システムの2個のプローブを、オリンパスがカスタム製造したIFWRプローブ(3.5MHz, 64振動素子)1個に置き換えることにより生産性を高めることができました。同社のご厚意により、この成功例の詳細を示すデータとグラフを提供して頂きました。
従来技術
Mistras社はこれまで、64の振動素子を持つリニア型プローブと32の振動素子を持つ凹面型プローブをそれぞれ1個使用し、Omniscan MXに接続して複合部品を8つのゾーンに分けて検査していました。この2個のプローブを使用する方法では検査に約2.5時間を要していました。
図 1:複合部品全体を8つのゾーンに分けて検査
図 2:部品全体をカバーするために2種類の装置をセットアップ
複数のプローブで複数回のパスを使用してデータを取得する測定法では、C-スキャンデータの記録と解析はより難しくなります。正確な解析を行うためには、それぞれのスキャンを正しく同定できなければなりません。 |
新技術
オリンパスのカスタムIFWRプローブを使用すれば、1個のプローブで2回のパスを行うだけで8つのゾーンを漏れなく検査することができるので、検査時間を約50%短縮できます。 | 図 4:カスタムIFWR (Immersion Flat With Radius)プローブのセットアップ |
1個のプローブがカバーする範囲を大きくしてプローブの個数を減らすことにより、データの記録と解析が単純化されることが実証されました。それぞれの検査箇所は2回のC-スキャンだけで解析することができます。 | 図 5:1回のパスで取得したデータが4つのゾーンをカバー |
結論
オリンパスはMistras Group Inc.と共同でカスタムプローブを提供しています。このプローブは検査時間の短縮、検出能力の向上、データ解析の単純化で優れた実績を示しています。このように、オリンパスではお客様の仕様と部品の特殊な要件に合わせてIFWRプローブの製造が可能です。
お客様の特殊なアプリケーションに適合するカスタムプローブについての詳細は、お近くのオリンパスまでお問い合わせください。