ロストワックス鋳造法では、ロウ型をセラミックのスラリー(懸濁液)につけ、焼き上げて鋳型を作成するため、ロウ型の精密な寸法が極めて重要です。ロウ型を両側から挟んで測定することが困難もしくは不可能な場合は、超音波検査で厚さを測定する必要があります。タービンブレード鋳造用のロウ型がよい例です。型の厚さは仕様にあった鋳造ブレードを作製するために重要です。
超音波測定を行えば、ロウを破壊することなく厚さを測定できます。ロウ型の中には、セラミックのコアを囲むように成型されたものがあります。ロウとセラミックの境界で反射するエコーは、ロウと空気の境界から反射されるエコーとは異なるため、この区別は重要です。どちらも測定は実施可能ですが、個別にセットアップする必要があります。このプロセスのために、どちらのセットアップが必要かをオリンパス担当者に知らせてください。一般的に、適切な測定機器を推奨するためにはサンプルが必要です。
機器
通常、ロウ鋳型の厚さ測定には超音波精密厚さ計が推奨されます。38DL PLUS™、45MG(一振動子ソフトウェア付き)、72DL PLUS™の各厚さ計があります。最適な探触子は、対象物の厚さと形状により異なります。セラミック上にロウがあるアプリケーションの場合、測定精密度は、ロウとセラミックコアの境界面が剥離部なくしっかりと密着しているかどうかに左右されます。セラミック上のロウには、厚さ計の特別なセットアップ(エコー極性反転)が必要となります。このセットアップでは、ロウとセラミックの境界面が部分的または全体的に剥離していると、厚さ測定の精度が低くなります。鋭く湾曲するタービンブレードのように複雑な形状の測定には、適切な超音波ビームアライメントのために、集束水浸型探触子とバブラーの使用が必要になる場合があります。