DELTAによる医療器具の成分検査課題生体内移植器具の合金の使用には、さまざまな規制が存在します。移植材料としての合金は、耐食性、生物学的適合性、強度、低弾性、低密度、骨やその他の組織との結合力などの特性を組合せて選択されます。生体材料科学の進化に伴い、主要なアプリケーションで新種の合金が使用され始めています。成分元素の濃度の変化や不純物は、わずかであっても、強度重量比や耐食性を変えてしまうことがあるので、非常に重要です。そのため、徹底的な品質管理テストが必要です。医療器具メーカーは、技術の進歩に遅れないように、使いやすく正確で高精度な分析技術を求めています。また、試料を識別するため、コンプライアンス過程の一部として、試料情報の記録化を求めています。 |
材料が規制に適合しているかどうかを検査する技術は、費用対効果が重要であり、しかも、その技術を使うことによって市場投入時期が遅れてはなりません。また、規制に適合しているかどうかを検査するのに、製品を壊さずに影響も与えないで、合金の品種や成分情報を取得できなければなりません。さらに、検査手順の実行を持続し、完成品や部品について、各ユニット、ロット、バッチを識別できるように、医療器具履歴簿(DHR:Device History Record)にその全てを記録しなければなりません。
ソリューション
DELTAは、優れた精度および正確さ、先進の電子技術、データ保存機能により、合金材料を検査するソリューションを提供します。
ハンドヘルド蛍光X線分析計DELTAは、医療器具産業で使用される合金を短時間で検査する目的に最適です。すべての分析は、完全に非破壊で実行されます。DELTAは、合金の化学成分分析(同時に最大30種類の元素)と品種判定を数秒で行います。ユーザーインターフェースは、測定結果と成分濃度規格範囲との比較を瞬時に行ない、「規格範囲外」の元素やトランプ元素も特定します。最大100,000の測定値を、試料情報やスペクトルとともにDHR(820.72)の一部として保存できます。 |
DELTAは、優れた検出限界(LOD)と軽元素分析機能を提供します。最大4W、200μAのX線管、最先端の電子技術、シリコンドリフト検出器、浮動小数点プロセッサー、新しい幾何学デザインを備えています。これらすべてが、質量わずか1.8kgほどの耐久性の高い工業用ハンドヘルド分析計に搭載されています。
DELTAの分析結果:蛍光X線分析計DELTAによる分析結果を以下に示します。PGA1、PGA2、2種類の金属製生体内移植器具を直接測定した結果のスクリーンショットです。2つの試料は、前処理や変更なしに、そのまま測定されました(ハンドヘルドタイプの蛍光X線分析は、完全な非破壊分析です)。精密な成分分析が目的でも、かかった時間は20秒です(高速選別と合金品種判定は1~2秒で実行できます。化学成分のモニタリングでは、測定時間を長めにします。たとえば、Co合金の成分で厳重に濃度規制されているFeを、濃度規制を確実に遵守するため、低濃度まで測定するためです)。結果はデータベースにエクスポートして、すぐに作成できます。DELTAのレポート作成ソフトウェアにより、正式な分析レポートをすぐに作成できます。また、DELTAは測定結果を無線でプリンタに送信することができます。 |
DELTAのスクリーンショット:試料PGA1の測定結果 | DELTAのスクリーンショット:試料PGA2の測定結果 |