2003年11月発行の「Flight Standards Information Bulletin for Airworthiness」(FSAW 03-10B)には、「ボーイング737型機の機体外装が"スクライブマーク"により損傷(Fuselage Skin "Scribe Mark" Damage on Boeing 737
Aircraft)」という見出しの下で、以下のような内容が掲載されています。
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塗装およびシーリング剤の除去時に使用された鋭利な工具によって、数機の機体外装のラップジョイント、バットジョイントなどの部分が損傷したことが報告された。
• 鋭利な器具を使用すると、機体外装にけがき線状の傷が付くことがある。
• 与圧された外装にけがき線状の傷が付いたことに気付かなかった場合、亀裂が入り、最終的には広範囲が疲労破損する可能性がある。
• 再塗装およびシーリング剤の除去が行われたすべての民間航空機は、スクライブマークが付いている疑いがある。
スクライブマークの検出に超音波フェーズドアレイを利用することによる利点
フェーズドアレイ技術によって次の機能が提供されます。
• ビーム角、フォーカス距離、およびスポットサイズをソフトウェア制御
• 複数のエレメントで構成された電子制御小型プローブ1つでマルチアングル検査
• 塗装を除去することなく検査を実行(大幅な時間節約)
• セクタースキャンのイメージング
• 検査の実行は、安価な構成の OmniScan PA (16:16)で十分
スクライブマーク検査におけるOmniScanの利点
• OmniScanは厳しい現場条件で動作するよう作られています。
• OmniScanはコンパクトで軽量です(わずか4.6 kg)。
• OmniScanは2個のリチウムイオンバッテリで6時間動作します。
発見される欠陥
• 長さ0.200インチ(5.08 mm)以上のスクライブマーク
• 厚さ0.032インチ~0.044インチ(0.81~1.10 mm)の外装板では、外装板の厚さの50%あるスクライブマーク
スクライブマーク検査
• 検査は OmniScan PA 16:16で行います。
• フェーズドアレイプローブは10 MHz 16素子のプローブ(10L16)を使用します。
• プローブをSA1N60S5X5ウェッジに取り付けます。
• セクタースキャン範囲は60°~85°SWです。
• エンコーダは不要です。
OmniScan PAイメージング
スクライブマークのまとめ
• スクライブマークの検査が、塗装を除去することなく実行可能です。
• OmniScan PAは、ボーイングのNTMマニュアル「737 NDTマニュアル第4部」(53-30-06、2005年7月版)の中で参照されています。
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多くの航空会社が、既にこの手順を使用してスクライブマークを検査しており、多数の技術者がOmniScanの使用法のトレーニングを受けています。航空会社からは、非常に早い投資回収が報告されています。
その他の認定済み整備手順
機種 | 部品 | サービス告示 | 認定装置 |
ボーイング737 | ダブリングエッジ | 737 NDT 53-30-25第6部、2004年12月 | OmniScan ECA およびECAプローブ |
ボーイングDC-9 | ランディングギア | DC9-32A350、2004年12月 | OmniScan PA およびPAプローブ |
発注方法
検査の実行には次の品目が必要です。
<説明> | <発注番号> |
OmniScan フェーズドアレイ16:16 | OMNI-P-1616 |
フェーズドアレイ斜角ビームプローブ | 10L16 |
ウェッジ | SA1-N60S5x5 |
<オプション> | <発注番号> |
NDTエンジニアリング特殊目的EC用標準試験片 | NDT3065 |