飲料産業で使用されるアルミ缶は、定期的に肉厚が検査されます。 「昔ながらの」検査方法では、缶を切断して肉厚を手作業で測定していました。 超音波肉厚計測では、外側から該当部分に超音波を音響結合させるだけで、直ちにデジタルで測定することができます。 通常、ハンドヘルド探触子を使用した超音波測定は単純なプロセスです。
心臓ペースメーカーの筐体などの深絞りした金属容器の品質管理でも、超音波は大いに役立ちます。 筐体の丸まった縁は非常に薄肉となり、正確な厚さ測定が重要な部分です。
金属製の缶、容器、および筐体の肉厚測定に使用される超音波機器
一般的に、0.203 mm(0.008インチ)を超える金属肉厚は、45MG厚さ計(一振動子ソフトウエアオプション付き)または38DL PLUS厚さ計を、20 MHzまたは10 MHzの遅延材付き探触子とともに使用すると、±0.002 mm(±0.0002インチ)の校正精度まで測定が可能です。 接触型探触子は、250 mm(10インチ)程度までの厚い金属に使用します。
厚さ0.203 mm(0.008インチ)未満の薄肉には、72DL PLUS™高周波数厚さ計が推奨されます。 高速測定が可能な72DL PLUS厚さ計は、波形更新速度が60 Hz、測定速度は最大2 kHzとなっています。 大型のフルカラータッチスクリーンを備え、さまざまな角度から楽に見ることができます。また、最新の接続性と統合のためのワイヤレスLANに対応しています。
以下の画像は、72DL PLUS厚さ計をM2104(125 MHz)探触子とともに使用して、厚さ0.0015インチ(0.0381 mm)の鋼板を測定した場合の波形例を示しています。
72DL PLUS厚さ計をM2104(125 MHz)探触子とともに使用して、薄い鋼板(0.0015インチ、0.0381 mm)を測定
どの探触子を選択するかは実際の用途によって決まるので、詳細はエビデントにお問い合わせください。 なお、アルミおよびチタン製の容器や部材の厚さは、Magna-Mike™ 8600ホール効果厚さ計でも測定可能です。 この機器は、ホール効果を使用して、0~25 mm(0~1.0インチ)の範囲内であらゆる非磁性材料の厚さを測定できます。