大量のコイル鋼は、多くの場合、厚さ仕様に準拠しているかを検査する必要があります。従来の測定は、コイルのヘッドにある切り口に限られていました。一方、超音波厚さ測定は、片側(露出側)からのみで全体のコイル幅の厚さをモニタリングできます。端から中央まで0.05~0.10 mm(0.002~0.004インチ)の厚さに対応可能であるため、スチール加工において小型超音波厚さ計を使用することは大きなメリットがあります。
金属コイルの厚さ測定に使用する機器
金属コイルの厚さ測定用機器は、必要な精度に応じて選定します。高い精度を得るには、38DL PLUS™や45MG厚さ計(一振動子ソフトウェア付き)などの精密厚さ計に、20 MHz(M208)または10 MHz(M202)遅延材付き探触子を組み合わせます。一般に、これらの厚さ計とM116直接接触型探触子を組み合わせて使用したときの校正精度は、±0.01 mm(±0.001インチ)です。最適環境下でM208またはM202遅延材付き探触子を使用した場合、高解像度モードでは、校正精度±0.008 mm(±0.0003インチ)以上で測定可能です。水浸型探触子を使用して、連続オンライン厚さ計測をコイル鋼に適用することもできます。
厚さ0.203 mm(0.008インチ)未満の薄肉には、72DL PLUS™高周波数厚さ計が推奨されます。高速測定が可能な72DL PLUS厚さ計は、波形更新速度が60 Hz、測定速度は最大2 kHzとなっています。大型のフルカラータッチスクリーンを備え、さまざまな角度から楽に見ることができます。また、最新の接続性と統合のためのワイヤレスLANとBluetooth®に対応しています。 右の画像は、72DL PLUS厚さ計をM2104(125 MHz)探触子とともに使用して、厚さ0.0015インチ(0.0381 mm)の鋼板を測定した場合の波形例を示しています。 |