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熱交換器のビデオスコープ検査


背景

ビデオスコープは、工業製品だけでなく、さまざまなインフラ施設の内部空間の目視検査に広く利用されています。身近な例として、家庭の配管や、上下水道、ガス、エアコンのダクトのモニタリング、自動車部品の品質検査など、幅広く挙げられます。また、航空機エンジンや発電機タービンのような大きな装置を解体せずに目視検査するためにも使用されています。このようにビデオスコープは、陰で安全性を支えるという重要な役割を果たしています。
特に、熱交換器の検査にとってビデオスコープは不可欠な機器です。

その名が示すように、熱交換器は「冷たいものの加熱」と「熱いものの冷却」に使用されます。例えば、発電機タービンを駆動する蒸気を発生させ、タービン通過後の蒸気を冷却して凝集させます。まさに、過酷な条件で働く縁の下の力持ちと言えます。

一般に板状熱変換器が溝付きの板で構成されているのに対し、管形熱交換器は一組の細い管で構成されています。これらは熱交換器の構造としてよく知られている形式です。多くの場合、管形熱交換器の検査にはビデオスコープが使われます。 

管形熱交換器の特徴

管形熱交換器は、多数の管(導管)と、導管を収容するシェルで構成されています。加熱と冷却という正反対の作用のため、冷却された側が収縮するのと同時に加熱された側が膨張するため、亀裂やパイプ壁のシンニングが生じます。管の数は数十または数百に及び、それらが整然と所定の位置に保持されています。管の長さは様々ですが、TEMA(熱交換器製造業者協会)は、代表的な構造として、末端でU字型に接続された240インチ(約6m)の直管で構成されるタイプを標準化しています。

ビデオスコープ検査は、修理や交換のタイミングを適切に判断できるよう、熱交換管の内壁を目視点検するために行われます。オリンパスが提供するビデオスコープは、末端がU字型に接続された240インチの直管の検査に適しています。 

熱交換器の検査対象

熱交換器のビデオスコープ検査では、一般に管の内壁を検査します。熱を伝達する水には、溶接部やU字型の接続部に蓄積する、カルシウムやその他の成分が含まれています。熱は管の減肉摩耗を引き起こすおそれがあります。交換やスクラビングのタイミングを適切に判断できるよう、これらをビデオスコープで目視検査します。プラントでは、定期保守サービスのために一定期間シャットダウンしている間に、設備全体の検査が行われます。         

このような検査では、多数の似通った管が検査され、欠陥部分の撮影を行います。これらの検査を行うことにより、重大な事故が発生する前に欠陥部品を交換することができます。ビデオスコープ検査では、多くの場合2名でチームを組み、1人がビデオスコープを操作している間にもう1人が検査した管の数と欠陥部分についての情報を記録することになります。このような状況では、検査対象が多いため、検査中に記録の一貫性が失われ、貴重な検査結果の信頼性が低下するおそれがあります。
           

熱交換器管内部の目視検査

熱交換器管内部の目視検査

熱交換器管内壁のビデオスコープ画像

熱交換器管内壁のビデオスコープ画像

画像と検査の詳細が同時に記録される

先に述べた通り、従来の検査方法では検査の画像と文字情報が別々に保存されるため、あとからそれらを突き合わせることになります。結果的に、画像と文字情報を一致させるのに長い時間がかかります。検査の詳細を明確にすることが困難な場合さえあるでしょう。     

オリンパスが提案する新しい検査技法では、ビデオスコープに実装されている検査サポートソフトウェアシステムにより、画像とそれに関連する検査の詳細が同時に記録されます。したがって、1人で検査と関連情報の記録を行えるだけでなく、記録したデータを単にPCにアップロードするだけで自動的に報告書が作成されます。これまでは、実際の検査作業よりも、報告書の作成に長い時間がかけられていました。オリンパスが提供するビデオスコープと検査サポートソフトウェアシステムInHelpは、報告書作成時間を大幅に短縮し、ひいては検査の総コストを削減できるという利点により、高い評価を受けています。

NDT装置との併用でさらに信頼性の高い検査が可能

熱交換器装置の検査には、NDT機器も広く活用されています。管の外部からの探索で内壁の傷を検出するには、超音波探傷器が有用です。検出された傷をビデオスコープで目視検査すると、損傷の重大さをより正確に評価することができます。このように、NDT機器と工ビデオスコープを併用することにより、より信頼性の高い検査が可能になります。
 

Olympus IMS

この用途に使用される製品
5mから最長30 m まで、豊富なラインナップのロングタイプビデオスコープ。熱交換チューブやボイラー、給排水管の内面検査など、対象の深層部にまでスコープを挿入する事が可能です。

画質、照明、計測性能、検査効率。全てを極めたハイエンドモデル。圧倒的な高画質と進化を遂げた計測機能を備えたIPLEX NXは、プロフェッショナルの高度な期待に応え、検査効率の向上に貢献します。

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