摩擦攪拌溶接(FSW)は、主に航空・軍需産業において高品質が要求される用途のアルミニウム製部品に使用されます。材料を追加して溶接する従来法の代わりに、特殊な接合ツールを使用して溶接部分の金属を摩擦熱で加熱し軟化させ混ぜ合わせることで溶接します。
摩擦攪拌溶接には従来の溶接法と比べてさまざまなメリットがあり、 他の溶接法で行われる液体冷却で発生しがちな欠陥を避けることができます。しかし温度や溶接条件が適切でない場合に発生する多くの欠陥については、正しい検出とサイジングが必要となります。
摩擦攪拌溶接特有の欠陥摩擦攪拌溶接では、幾つかの異なるタイプの欠陥が発生することがあります。攪拌不足欠陥(kissing-bond)と言われる接合部の攪拌の不連続性による欠陥や、長いトンネルのような空洞欠陥、浸透不足による欠陥などです。また、摩擦攪拌溶接プロセスにより、溶接部内の欠陥方向がランダムになることがあります。 | FSW製造プロセスの概略図 |
校正の基準外径または内径に位置する縦、横、斜めのノッチは、校正プロセスの基準として使用されます。また横穴は、材料内の信号減衰によって生じる時間補正ゲイン(TCG)カーブを作成するために使用します。 | 製造プロセス時にランダムな方向に生じた欠陥 |
縦および斜め方向の欠陥 水とカップリングさせた標準ウエッジつきの64エレメントプ・プローブを溶接線に対して垂直に使用すると、縦および斜め方向に生じた欠陥を溶接部全体から適切に検出できます。斜めに生じた欠陥の検出とサイジング能力を向上させるために、スキュー角を持たせて配置したプローブの追加も可能です。 | 横方向の欠陥 水とカップリングさせた横波ウエッジつきの64エレメントプ・プローブを溶接線に対して平行に使用すると、横方向に生じた欠陥を検出できます。これらのプローブは溶接部全体をカバーします。 |
縦および斜め方向の欠陥判定用の、標準方向フェーズドアレイプローブとウエッジ | 横方向の欠陥判定用の、横方向フェーズドアレイプローブとウエッジ |
高性能かつ堅牢な装置FOCUS PXは高い信号品質と従来以上の検査スピードで摩擦攪拌溶接(FSW)検査を行うことができます。高データスループットにより、検査スピードを落とすことなく未圧縮のA-スキャンデータを取得可能です。 FOCUS PXは、厳しい作業環境での使用に対応する堅牢なファンレス設計の製品です。防塵・防水性能規格IP65に準拠し、またヒートシンクを装備しているので40℃までの使用環境に対応します。
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パワフルでフレキシブルな構造最大4台までのFOCUS PXをパラレルに使用することができます。これにより、一つの制御ステーション(PC)で複数のプローブを制御する高度なシステム構成を可能にし、1回の探傷で対象となる溶接部全体をカバーします。 複数の装置で作業をする場合、PCは1台の装置からすべてのI/O信号を受信できるので、無駄な配線をせずにシンプルな統合が可能です。複数の装置間の同期は、シンプルなケーブルを装置間に各1本接続するだけで実現されます。
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効率アップのための専用ソフトウェアFocusPCソフトウェアには、摩擦攪拌溶接(FSW)の探傷プロセスを最適化するための優れた機能が含まれています。カスタマイズ可能なディスプレイ表示により、検査のオペレーターは欠陥の検出とサイジングを効率よく行うことができ、またパワフルなデータ解析機能により、解析プロセスにおけるデータを適切に操作可能です。 | FocusPCソフトウェアでのFSWデータのC-スキャン表示 |
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