オリンパスのハンドヘルド蛍光X線分析計は、探査掘削サンプルを分析するため、さまざまな場面で使用されています。蛍光X線分析に最も適した試料の一つは、ラボ分析で使用するパルプ状粉体のように、乾燥して微粒化、均一化されたものです。しかし、現場でハンドヘルド蛍光X分析計を使用すれば、完全に乾燥、均一化されていない試料であっても、有益で目的にかなった地球化学データを収集することができます。リバースサーキュレーション(RC)と回転式エアーブラスト(AB)掘削の場合、 掘削法の特性により、採取される試料はすでに部分的に均一化されています。多くのハンドヘルド蛍光X線分析計がこのような掘削装置から得られた試料の分析に使用され、掘削プログラムの探査管理者に有用なデータを提供しています。 |
Au埋蔵区画内でのXRF分析で得られた変則的なAu、As、Ag、Pb。:オース トラリア( ニューサウスウェールズ)で実施された探査プロジェクト(Rimfire Resources)より。 |
投資の回収
探査掘削用にハンドヘルド蛍光X線分析計を使用すると、プロジェクトによっては短期間で投資費用を回収できる場合があります。これは資金支援者にとって直接的な経費の削減を意味します。ABM
Resources社の代表取締役Darren Holden氏は、オーストラリア北部特別区(Northern
Territory)における事業のために、オリンパスのハンドヘルド蛍光X線分析計を2台採用したことにより、1年間で900,000豪ドルを節約できたと評価しています。これは、費用のかさむラボ分析では最も重要な試料のみを分析するように、RCチップのスクリーニ
ングツールとして蛍光X線分析を用いたことによります。
掘削コア・ロギングと試料選択の最適化
地質試料では、目的物が脈状に走っていたり斑点状に分布している不均質なものであるため、掘削/カットされたばかりのダイアモンドコアへの蛍光X線分析法の適用は、難易度の高い用途です。しかし、コアの長さ方向に沿った多数のポイ
ント(/m)から蛍光X線データを収集するための手法が確立され、ラボ分析用の試料を地質学者が選別する際に役立つ情報、またコア検層の過程における補足的な調査データの取得が可能で、地質系統内の傾向を定性的/半定量的に把握する
ことができます。ここに示す3種類のグラフは、イベリア半島の黄鉄鉱ベルトで実施したCu探査プロジェクトのもので、10cm刻みで取得したXRFデータを1mごとに平均化し、ラボの分析データと比較しています。ラボ分析用に選択すべき試料が、1〜5と10〜13であることが傾向から示唆されています。試料6〜9はラボへ送る必要がないものと言えます。これにより、ラボ分析の経費を30%節減できる可能性があります。これはお客様が実際に行った測量調査の一例です。
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