民間航空会社は、厳しいスケジュールに沿った運営を迫られます。しかし、このような運営は、航空機の検査がスケジュールどおりに行われ、かつ適切なビデオスコープソリューションまたはボアスコープソリューションをまず検査チームに配備している場合にのみ可能です。
以下では、お客様の検査ツールボックスにチャンネル内蔵型スコープを追加する3つの理由を探ります。
1. 柔軟性の高いツールを使用して残留異物を素早く取り出します。
ナットやボルトなどの小物は、航空機の検査中、いつでもエンジン内に落ちる可能性があります。厄介な物体は一般に残留異物(FOD)と呼ばれ、航空機の検査員ができるだけ早く取り出す必要があります。
残留異物は、チャンネル内蔵型スコープをすぐ使える状態にしておけば簡単に取り出すことができます。IPLEX™ NX工業用ビデオスコープ向けの新しいチャンネル内蔵型スコープのような多用途に対応する検査ソリューションには、ワニ口クリップ、スネア、バスケット、捕捉器具、磁石、フックの6つの便利な取り出し用ツールが付属しています。
よく知られているツールとして、磁石とフックの2つがあります。磁石ツールは磁性材料のFODをとらえる場合に便利です。対象物に磁石を近付けるだけで、しっかりとらえて取り出せます。この仕組みを下のビデオで見ることができます。
FODを取り出す磁石ツール
スネアではワイヤが輪になっており、投げ縄のように使用することで、ボルトを引っ掛けてエンジンから抜き取ることができます。ボルトの周りに輪を巻いたら、あとはワイヤをたぐり寄せ、ボルトをしっかりつかんで確実に抜き取るだけです。
2. 標準的なスコープが故障したら、バックアップとしての迅速なRVI(工業用内視鏡検査)を利用します。
航空機のエンジンは挿入ツールにとって過酷な環境です。鋼鉄とセラミックでできた固い端部を持つ、狭いエリアに入っていく必要があるからです。
実際、標準的な検査スコープは時間と共に摩滅します。長く使用すれば、故障するタイミングが早くやってきます。検査の最中にスコープが故障した場合、バックアップがないのは最悪のシナリオです。
どうしたらよいでしょうか。チャンネル内蔵型スコープを取り出せばよいのです。
チャンネル内蔵型スコープは、一般的には特殊なアイテム(つまり、FODの取り出しやチャンネル操作専用のツール)であると考えられていますが、標準的な目視検査にも使用できます。
チャンネル内蔵型スコープは、標準的な挿入スコープと同じ動作を行うだけではありません。通常、検査員によって頻繁に使用されないため、標準的なスコープよりも良い状態です。チャンネル内蔵型スコープを一般的な検査作業と特殊な検査作業の両方に使用し、コストを低く抑えることもできます。
3. 人間工学的な特徴を用いて効率的に作業します。
航空機の検査員は狭い場所でスコープを操作する必要があるため、機器を可能な限り人間工学的に設計することが重要です。問題は、非常に多くのコンポーネントを操作しなければならないため、従来のチャンネル内蔵型スコープを使用した検査が綱渡りのようだと感じられることです。
この点を説明するため、従来のスコープを使用したFOD取り出しの概要を以下に示します。
検査員は、右手に取り出しツールの作動装置を持っています。左手では、検査領域のあちこちに挿入チューブを動かしています。画像を撮影するため、どちらかの手でスクリーンを操作する必要があります。どうすればよいでしょうか。検査員は両手ともふさがっています。
本製品のような適切なツールを使用すれば、効率と生産性を大幅に改善できます。
例えば、最新のチャンネル内蔵型スコープには、検査員がより快適にコントロールを行うことができる機能が用意されています。当社のIPLEX NXビデオスコープ用チャンネル内蔵型スコープは大型LCDスクリーンを備えており、見やすく、かつ取り外して最も使いやすい場所に掛けることができます。また、軽量のリモコンも付属しているので、快適な位置でスクリーンをコントロールできます。
また、リモコンは作動装置と一体型で便利に操作可能です。作動装置とリモコンを片手に持ち、他方の手で挿入チューブを操作しながら、たやすく作動装置とリモコンを交互に使用できます。最新鋭の装備により、手首の疲れが軽減され、検査効率が向上します。
参照資料
アプリケーションノート:「Visual Inspections of Commercial Jet Engines(ジェット旅客機エンジンの目視検査)」
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