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小径チューブを正確に測定するための3つのヒント

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小径チューブの正確な測定

小径の金属やプラスチックのチューブは、幅広く工業および医療用途で使用されています。 これらのチューブには、直径が0.125インチ(3mm)未満の非常に薄肉のものがあります。 その用途が安全を最重視すべきものである場合、肉厚と同心度に関する厳格な製造公差を満たしている必要があります。 これまで、製造業者はチューブの目視検査やキャリパーを使用した肉厚の測定を行うために、試料を切断しなければなりませんでした。 今日では、小径チューブの品質管理検査については、素早く非破壊で検査を行える、超音波(UT)厚さ測定が選択肢のひとつです。

推奨されるUT厚さ計、機器、検査セットアップ

直径が0.125インチ(3mm)未満のチューブの場合、通常は20MHzの焦点付き水浸型探触子の使用を推奨しています。 小径部位に音のエネルギーを効率的に伝達するには、音を狭いビームに集束させる必要があります。 焦点付き水浸型探触子では、成形音響レンズを使用して水の柱に沿って音のビームを集束させることで感度を向上させます。 RBS-1バブラーは、卓上型の水浸タンク・プローブ固定具で、安定した水柱を作り出し、検査対象物を音のビームの中心に安定して配置するのに役立ちます。 一定の低流量の水柱を作り出すには、水浸タンクを用途に適合したバブラーノズルと一緒に使用する必要があります。 B103 V-ノッチバブラーは、チューブを回転させて円周全体の厚さを素早く測定したり、プローブ上でチューブをスライドさせて部位の長さに沿って厚さを測定することが可能なため、チューブの同心度検査を簡略化できます。

B103 V-ノッチバブラーとRBS-1-15再循環バブラーシステム
B103 V-ノッチバブラーとRBS-1-15再循環バブラーシステム

この用途では、オリンパスの38DL PLUS®または45MG超音波厚さ計(45MG-SE一振動子および45MG-WF波形ソフトウェアオプション使用)と、0.75インチ(19mm)焦点の20 MHz M316-SU水浸型探触子を併せて使用すること 推奨します。

小径チューブの検査は、適切な機器と正しく校正された装置を使用すれば容易にできますが、測定誤差が依然として生じる可能性があります。 ここで、一般的な課題を回避するのに役立つシンプルなヒントを3つご紹介します。

  1. IFブランク機能を使用して境界面エコーのリップルの誤検出を回避

    水浸セットアップで鋼管を測定する際には、水と鋼鉄の境界面エコーを考慮することが重要です。 水と鋼鉄の音響インピーダンスは大きく異なるためにインピーダンスの不一致が生じ、これによって境界面エコーが高まります。 薄肉チューブは、非常に近接した底面エコーを生成します。 ほとんどの場合、境界面エコーのリップルが、最初に戻ってくる底面エコーと干渉します。 この干渉を回避するには、IFブランク機能を使用して境界面エコーのリップルをマスクすることで得られる クリーンで連続したエコーのペアを選択します。

    大きな境界面エコーのリップルが、最初に戻ってくる底面エコーと干渉
    大きな境界面エコーのリップルが、最初に戻ってくる底面エコーと干渉

    IFブランク設定を調整して、最も強い信号のペアを選択することができます。 IFブランクを調整すると、選択した信号ペアが変更されますが、連続的な底面エコー間の伝播時間は変更されません。

  2. IFブランク設定を変更した結果、厚さ測定値は同じIFブランク設定を変更した結果、厚さ測定値は同じIFブランク設定を変更した結果、厚さ測定値は同じ
    IFブランク設定を変更した結果、厚さ測定値は同じ
  3. 焦点付き水浸型探触子を使用するときは、底面信号振幅の変動に注意

    B103バブラーの水路長に、検査部位の金属の肉厚をプラスした長さは、探触子の焦点距離より大幅に短いため、3番目または4番目の多重底面エコーの周辺で最大エコー振幅が生じ、ここで集束が生じます。 薄い金属の測定時にはこの効果は一般的で、ここで見られるように、測定されたエコーがクリーンでひずみがない場合は精度に影響はありません。 正確な測定値を得るには、IFブランク機能を使用して、2つの連続した明確な底面エコーを選択します。

    焦点距離により、3番目と4番目の重複が最大振幅
    焦点距離により、3番目と番目の重複が最大振幅
  4. M3ブランクをあまり大きく設定しない

    誤った測定値を避けるには、連続した底面エコーを使用して厚さ計が測定値を記録するまでM3ブランク値を減少させ、検査部位の厚さが正しく表示されるようにします。

    3番目と5番目の底面エコー間の検出
    3番目と5番目の底面エコー 間の検出

    適切な技法を用いれば 薄肉チューブの肉厚測定は、38DL PLUSおよび45 MG超音波厚さ計を使用して高速かつ簡単に行えます。 その他の厚さ測定用途については、以下のリンクをご覧ください。

    3番目と4番目の底面エコー間の検出
    3番目と4番目の底面エコー 間の検出

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スタッフ、ライター

Sarah Williamsは約10年間、放送業界で研究者およびコピーライターとして活動しています。ライターおよび編集者としてのスキルを活かし、Evidentの幅広い非破壊検査(NDT)ソリューションについて説得力のある、クオリティの高い原稿を提供しています。遠隔目視、マイクロスコープ、超音波、渦流探傷、フェイズドアレイなどの最新技術を取り上げ、世界各地におけるこれらの技術の活用や品質および安全性向上への貢献についても調査しています。ケベック・シティのオフィスに勤務し、パートナーと3人の子どもたちと共に暮らしています。

4月 23, 2019
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