夏の暑さの中、多くの人々は空調のおかげで涼しく過ごせます。 多くの大型空調システムの核となるのは熱交換器であり、温度の制御に使用される何百本ものチューブが詰まっています。 ご想像のとおり、これらすべてのチューブの腐食を検査するのは難しい作業です。
熱交換器は一般的に冷暖房によく使用されており、活用場所は発電所、化学工場、製油所、下水処理場、その他さまざまです。 熱交換器内のチューブは定期的に検査して、減肉などの腐食がないか確認されます。腐食が存在すると、熱交換器の故障や高額な費用のかかる損害が発生する場合があります。
熱交換器チューブ探傷
マルチチューブ熱交換器は、何百本ものチューブの束で構成されています。 状況に応じて、すべてのチューブを100%検査する場合も、一部を検査する場合もあります。 欠陥のあるチューブは交換するかプラグで塞いで、実質的に使用されないようにします。 検査対象のチューブが山ほどあるため、スピードと精度が重要になります。
熱交換器チューブの検査に使用する方法は、渦流探傷、内部回転式探傷、ビデオスコープによる目視検査の3つで、それぞれに利点があります。
方法1：渦流探傷
渦流探傷（ECT）は非接触の検査法で、オーステナイト系ステンレス鋼（SS304/SS316）、真鍮、銅ニッケル、チタン、銅フィン、およびモネルから作られる非強磁性チューブの金属不連続部（腐食、浸食、摩耗、孔食、バッフルカット、壁損失、亀裂など）を検出および測定する際に使用されます。 この技法では、プローブが交流電流で励起され、チューブ内で渦電流を誘導します。 渦電流の流れを変える不連続部や材料特性変化は、潜在的な欠陥として検出されます。
この信号を渦流探傷器が検知して、インピーダンス平面やストリップチャートとして表示します。 トレーニングを受けていれば、校正曲線を使用して画面上で欠陥を特定できます。 ECTの大きな利点は検査速度です。検査員はチューブプローブを最大2m/秒（6.6フィート/秒）で引き抜くことができます。
方法2：内部回転式探傷システム（IRIS）
内部回転式探傷システム（IRIS）は、石油化学プラントやバランスオブプラント（BOP）のチューブ探傷でよく使用されます。 IRISでは、プローブが超音波パルスを送受信するパルスエコーモードで動作し、内径0.5インチ～3インチの範囲内で肉厚、減肉、欠陥箇所の位置を測定します。
IRISプローブは、チューブの軸方向にビームを発射する超音波探触子から構成されています。 水圧で動くタービンに装着されたミラーが、超音波ビームを屈折させ、チューブの内壁に当たった垂直入射ビームを取得します。 ミラーは軸を中心に回転するので、チューブの円周全体を検査できます。 完全なIRISプローブには、ケーブル、センタリング装置、タービン、探触子が含まれます。 IRISのスキャン速度は50 mm/秒（2インチ/秒）に制限されています。
IRISプローブ
方法3：ビデオスコープを使用した目視検査
内部のアクセスしにくい場所を検査する必要がある場合、工業用内視鏡検査（RVI）が最適です。 ビデオスコープは挿入管に小さなセンサーチップが付いていて、ビデオ画像や静止画像をキャプチャできます。 画像は、検査員が見ることができるように、このセンサーからLCD画面へ送信されます。
ビデオスコープを使用すると、熱交換器チューブの内部を見て、欠陥の様子を確認することができます。 ビデオスコープの操作に特別なテクニックは必要なく、セットアップと片付けはすばやく簡単に済みます。 ビデオスコープの電源をオンにする操作のみで、すぐに検査を開始できます。
IPLEX™シリーズビデオスコープには、チューブ内部の腐食の高さと深さを測定できる先進機能があります。 IPLEX NXビデオスコープなど一部の機器は、腐食の形状やサイズをさらにわかりやすくする3Dモデリングに対応しています。 色分けされた3D画像には、特にレポート作成というもう一つの利点があります。資産所有者にパイプの状態を明確に伝えられるためです。 測定データの取得と3Dモデルの作成はすばやく効率的で、時間のかかる校正は必要ありません。
どの検査方法も固有の特長があるため、お客様の検査要件にぴったりの方法を選択できます。
3Dモデリング画像
熱交換器チューブ探傷テクノロジーの比較
| テクノロジー | 利用可能なチューブサイズ | 特長 |
|---|---|---|
| 渦流探傷試験 | おおよその内径：7 mm～105 mm（0.28インチ～4.1インチ） おおよその厚さ：0.56 mm～3.4 mm（0.02インチ～0.13インチ） | チューブ内の腐食の位置を推定 高速 チューブのU字型部分を検査可能 非強磁性材料に対して機能 |
| 内部回転式探傷システム（IRIS） | おおよその内径：11.4 mm～76.2 mm（0.45インチ～3インチ） おおよその厚さ：1.7 mm～6.1 mm（0.07インチ～0.24インチ） | チューブ全体を正確に検査 検査員が欠陥の位置、形状、深さを特定可能 水を使用した特殊な準備と片付けが必要 |
| 工業用内視鏡検査 | おおよその内径：6 mm（0.24インチ） おおよその厚さ：なし | チューブ内部の腐食の状態を目視可能 チューブの外側は検査不可能 チューブのU字型部分を検査可能 欠陥の測定が可能 特別なテクニックは不要で使用が容易 |
チューブ探傷テクノロジーガイド
| 渦流探傷試験 | 内部回転式探傷システム（IRIS） | 工業用内視鏡検査 | ||
|---|---|---|---|---|
| チューブの部位と材料 | 外側 | ★★ | ★★ | - |
| 内側 | ★★ | ★★ | ★★ | |
| 磁性 | - | ★★ | ★★ | |
| U字型部分 | ★★ | - | ★★ | |
| 特長 | 高速の欠陥スクリーニング | ★★ | - |
★
外観を確認する方法 |
| 詳細な検査と測定 | ★ | ★★ |
★
特定された欠陥が対象 | |
| すばやい準備と片付け | ★★ | - | ★★ | |
| クライアント用のわかりやすいデータ | - | ★ | ★★ |
重要なシステムの安全性を維持することは大切であり、検査員には作業を行うためにさまざまなツールが必要です。 当社では、ここに挙げたすべてのソリューションを用意しており、ご使用の熱交換器タイプと検査の目的に応じて必要なものを選択できます。
関連コンテンツ
ビデオ：NORTEC 600Dを使用したHVACおよび熱交換チューブキット
お問い合わせ
