オリンパスは、多種多様な光学観察・検査装置の開発・製造を行うお客様に顕微鏡ユニットをご提供し、製造業において、品質検査を通じた歩留まり向上に役立てて頂いております。 検査、解析に最適な画像を得るには、ピント、サンプルの観察箇所、観察方法、倍率切り替えなど、さまざまな調整が必要です。顕微鏡ユニットを装置内に組み込む場合、検査者が直接操作する事なく、これらのユニットの遠隔制御が必要となるケースも多々あります。 電動Z駆動の顕微鏡本体、電動投光管、電動アナライザー、コントロールボックス、ハンドスイッチなど、電動制御を可能とする多彩なユニットをご用意しておりますが、今回は高速、高精度、高耐久性を実現した吸引機能付き電動レボルバーを紹介させていただきます。
図1: 電動レボルバーのイメージ図
半導体、FPD、OLED検査装置組み込み用吸引機能付き電動レボルバーのメリット
半導体やFPD、OLED検査市場における装置設計の共通課題は高スループット(所要時間あたりで処理可能な検査数)で、当社のU-D5BDREMCなどの電動レボルバーの高速、高精度、高耐久性といったメリットはエンドユーザーのお客様から高い評価を得ております。また、多種多様な対物レンズを装着可能な、当社の電動レボルバーを購入してくださる装置メーカーのお客様も沢山いらっしゃいます。 この分野のお客様がもう一つ気にされる点はクリーン度です。一般的に検査装置はクリーンルームというシビアな環境で使用され、半導体ウェハのようなサンプルにレボルバーからゴミが落ちることは許されません。何故なら、レボルバーの回転動作によりレボルバーの内部で発生したゴミ・異物が落下してコンタミネーションを発生させてしまうと歩留まり向上の検査なのに、検査対象を汚染してしまうからです。
コンタミネーションの防止に優れた吸引機能付き電動レボルバー
吸引機能付き電動レボルバーは低圧吸引圧力で、吸引流量を適宜設定し吸引する事で、レボルバー回転時に発生する微小な粒子の落下や、グリスから発生するガスや発塵を軽減する事ができます。これによりクリーンルーム環境下での使用に適しています。半導体・FPD検査装置への組み込み顕微鏡モジュールとしても安心してお使いいただけます。
図2:吸引機能付き電動レボルバー(U-D5BDREMC-VA)
各種レボルバーのラインアップのご紹介
オリンパスでは用途に応じてたくさんのレボルバーをラインアップしており、各ユニットの仕様をデバイスデータシートや3D CADデータとして公開しております。Webダウンロードして、是非ご活用ください。
- レボルバーには手動と電動があります。
- 手動レボルバーには、各種明視野対物レンズ用や明暗視野対物レンズ用、4、5、6、7、ESD仕様、微分干渉仕様、レボ穴位置を検出できる「コード機能付きレボルバー」等多種多様にラインアップしています。
- 「コード機能付きレボルバー」は、レボルバーの穴位置を検出できるので、その穴位置に倍率情報を設定しておけば、撮影した画像に倍率情報を付加する事が出来ます(弊社アプリケーションと併用)。
- 電動レボルバーは、5穴または6穴を電動で動かす仕様で、電動レボルバーのラインアップの中では「バキューム機能付き」があります。
- 手動、電動共に、対物レンズ光軸を心出し可能にした機能のレボルバーもあります。これは対物レンズ毎の僅かな心ズレを、レボルバーの穴位置を変えて調整できるもので、調整すると、お客様が取り付けた対物レンズの全て心を一致させる事ができます(対物レンズ変換時、見ている画像の中心位置のズレが無くなります)。
- 対物レンズを1本のみ装着できる製品(STM7-MMOBAD)もあります。複数の対物レンズを必要としないお客様には、RMSネジW26のみで、暗視野照明の光路を持っていませんが、このアダプターがミニマムコスト仕様となります。
図3:(左)STM7-MMOBADを用いて対物レンズを一つ装着した状態/(中央)レボルバーを付ける前の状態/(右)レボルバーを用いて対物レンズを複数装着した状態
貴社の顕微鏡設計に組み込むオリンパスの高品質な光学コンポーネントについてもっとお知りになりたい方は、www.olympus-lifescience.com/oem-componentsをご覧ください。
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