このブログでは38DL PLUS™から39DL PLUS™モデルに切り替わった超音波厚さ計を紹介しています。新モデルの機能と性能に関する最新情報は、39DL PLUSのウェブページをご覧ください。
ロープアクセス検査員は希少な存在です。空中に数メートルのロープでつり下げられて行う検査には、特別なトレーニングと高所での作業能力だけでなく、超音波（UT）などの非破壊検査（NDT）法の能力も必要です。
この方法は安全が大きな懸念である一方で、熟練したロープアクセス検査員の不足、効率性、費用も重要な問題です。以前のブログで、高所での工業検査の安全性をドローンが向上させる可能性について取り上げましたが、ドローンは熟練したロープアクセス検査員の不足を回避するのにも役立ちます。
Skygauge RoboticsのSerguei
Solokhineさんがゲストブロガーとして加わり、時間と費用の節約面からこの問題を考えます。稼働中の貯蔵タンク検査を例にとり、ロープアクセス法と、当社の38DL PLUS™ UT厚さ計および探触子技術を搭載したSkygaugeドローンソリューションを比較します。
高所での標準的な作業：ロープアクセスとSkygaugeドローンの比較
Serguei Solokhine（Skygauge Robotics）著
製油所での標準的な超音波検査作業を考えます。5つの溶接鋼貯蔵タンクが、API-653規格に基づく5年ごとの検査を行う時期になります。規格を順守するため、検査員は超音波スポット厚さ測定を各タンクで60か所、作業全体で合計300スキャン実施する必要があります。
標準的な検査作業がどのようなものかを、ロープアクセスチームとSkygaugeソリューションを使用するチームを比較して見てみましょう。
動員と検査のセットアップ
ロープアクセス
検査初日の早朝、ロープアクセスチームが現場に到着します。チームを構成するのは3人。経験豊富なIRATA/SPRATレベル3のロープアクセス専門家、ロープアクセスレベル2の技術者、超音波検査レベル2以上の指定を保有するロープアクセスレベル1+の専門家です。
チームは現場を調べて機器を準備し、資産所有者が手配した近くのホテルに落ち着きます。ここがこれから7日間の滞在場所になります。初日いっぱいを使って、チームは詳細な安全確認を行います。今後数日にわたりメンバー全員がロープをつたい、命の危険を冒して検査を実施することになるからです。
Skygaugeドローン
Skygaugeチームは現場に到着すると、検査領域を短時間で目視評価するとともに、風と天候の状態を把握します。ドローンをケースから取り出すと、すぐに検査を開始できます。Skygaugeの飛行直下にあたる領域はロープで囲いますが、それ以外の施設は稼働したままです。
検査
ロープアクセス：5日間
5日間毎日、ロープアクセスチームは高所作業用具と超音波検査ツールを携えて、対象のタンクに向かいます。午前中は1人の専門家がタンクの屋上に、ほかの2人は地上にいて、タンクの準備と生じるおそれのある危険性の観察を慎重に行います。タンク周辺の領域は、作業員、車両、その他のリスクがないようにする必要があるため、検査中は施設を部分的にシャットダウン状態のままにします。
安全と判断されると、UT指定を持つロープアクセス技術者がロープをつたい、タンクの事前設定ポイントを1時間あたり6か所の速度でスキャンします。ロープ作業員の安全が最優先事項なので、工程はゆっくりと進みます。測定ごとに技術者が結果を評価し、危険状態領域があれば手動で記録します。
5日間の検査期間中、雨や強風があれば検査は中断され、検査期間が延びます。
Skygaugeドローン：1日
Skygaugeのチームは現場に向かうと、ドローンを準備して起動と校正の手順を実行します。風雨などの天候状況によって飛行が数時間延期される場合はありますが、5時間ほどあれば検査を実施できます。
ロープの位置を変えたり誰かが危険な場所にいたりすることがないため、Skygaugeチームはタンクの側面を1時間あたり60か所の速度で迅速にスキャンできます。技術者はドローンから自動送信されるレポートを事後またはリアルタイムで確認できます。
5時間後に作業が完了し、チームは撤収に取りかかる準備ができます。
撤収
ロープアクセス
最終日、ロープアクセスチームはタンクの最上部に固定されたロープを取り外し、すべての関連機器を片付けて、検査レポートを改善の推奨事項とともに資産所有者に届けます。それから機器をまとめて撤収します。動員と撤収を含め、作業全体で約7日かかります。
Skygaugeドローン
Skygaugeチームはドローンをペリカンケースにしまって車両に積み込むと、現場を離れます。検査結果は、この時点で資産所有者に提供するか、さらなるレビューのために検査員に送るか、資産所有者の都合のいい方にします。動員と撤収を含め、作業全体で1～3日かかります。
まとめ
Skygauge
Roboticsの技術によって、高所での検査は検査員と資産所有者にとって迅速で面倒のないプロセスに変わり、検査員は離れた場所からレポートをレビューするという柔軟性が加わります。顧客からの報告によると、Skygaugeに切り替えてから費用と時間の両面で50～90%の節約になり、検査中にチーム全体が地上で安全にいられることで、身体的危険や責任問題を回避できます。さらに、Skygaugeソリューションでは施設のダウンタイムがほぼないため、顧客のダウンタイム費用は数十万あるいは数百万ドルの節約になります。
