新車の所有者の思いとして、車に初めてついたかき傷や損傷は嘆きの種になります。 車体の外観を保つことは、美的感覚のみでなく転売や下取りの価額にも関連してきます。 見苦しいかき傷を防ぎ、車両のプラスチック製部品における損傷を最小に抑えるため、自動車メーカーは、射出成形部品に耐擦傷性ポリマープラスチックを利用しています。
クローダ・インターナショナル(Croda International PLC)―プラスチックでの耐擦傷性を向上する添加物の最先端の生産者兼サプライヤーである弊社について説明します。 クローダ製品の機能の重要な一部として、耐擦傷試験を用いて、これらの添加物がどのくらい耐擦傷性を向上するかを正確に測定する機能があります。
クローダの研究者は、より効率的で正確な耐擦傷試験のツールを探求
クローダの研究員は、広視野顕微鏡を使用してかき傷の幅を測定し、白色光干渉計を用いてその深さを判別していましたが、これらの方法では時間がかかり、値に変動があることが分かりました。 試験の改善を試みるためクローダは、かき傷の幅および深さの測定において当社のLEXT™ OLS5000 共焦点顕微鏡を試用することを決断しました。
クローダのポリマー添加物の応用を行う部門の責任者であり、かき傷防止研究の第一人者である、Martin Read氏とその部門の研究者たちに、その試用がどうであったかを伺いました。
かき傷防止研究員の一日
クローダのかき傷防止研究員は、様々な添加物を含有するプラスチックプレートを製造してから大量の擦り傷でプレートにダメージを与えることをその仕事の一環とします。 当然ながら、それは制御下の作業にする必要があるため、これらの傷は、1~20ニュートンの力と定義された規格ツールでつけられます。
「ツールはかき傷と2つの盛り上がりを両側に残します、畑の掘り起こしの様なものです。」とMartin氏は述べます。
かき傷を付けた後、研究員は、その深さ、幅、プレートの概要を測定し、それぞれの損傷の範囲と相違を判定します。
干渉分光法にまさるレーザー走査共焦点顕微鏡法の利点研究員らは、より正確なデータの入手とワークフローのスピードアップを求めて、かき傷の幅と深さを測定する唯一の装置として、OLS5000共焦点顕微鏡を試用しました。 LEXTの顕微鏡レーザーは、スキャンのスピードが速く、サンプルの精密で定量化可能な3Dマップをすばやく作成することができます。 | LEXT OLS5000 顕微鏡を用いた、迅速で正確なポリマープレートの測定 |
クローダの研究員は、OLS5000 の使用による画像化、測定、解析がより迅速であったこと確認しました。 実際に、干渉分光法と比較すると、検査が10倍から100倍早くなりました。 Martin氏がいうには、「干渉分光法でかき傷を測定するためには、その設定を最も大雑把に構成しなければならず、それを設定するのは極めて困難です。 一つの測定に約1時間ほどかかります。 共焦点顕微鏡を使用すれば、プラスチックの表面にある10個のかき傷の測定と処理が2分でできました」。
研究員らは、LEXT顕微鏡による結果の精度の改善を知って満足しました(かき傷の幅および概要は、最近10 nmまで測定できました)。 Martin氏によると、「LEXT は3Dで正確に測定できるため、かき傷をスライスして単純に表示したり、深さを測定したりできます。以前よりもずっと簡単です」。
LEXT顕微鏡は、ポリプロピレンのような扱いにくい材料にも対応しています。 「ポリプロピレンは多孔質構造であり、干渉計は表面を検出せず、直線的に測定します」とMartin氏は説明します。 LEXT OLS5000 顕微鏡を使用することで、より滑らかな表面の画像やかき傷の正確な確認が可能になり、測定の正確さが向上しました。
クローダにとっての朗報、つまり自動車業界にとっての朗報
クローダは、迅速化と精度の向上をお知らせすることによって、LEXT顕微鏡が検査の改善に役立つことを明らかにしました。 Martinの研究仲間であるDimitris Vgenopoulos(応用研究者)は「オリンパスの顕微鏡の迅速さを目の当たりにすると、古いシステムで今までどれだけ時間を費やしていたか痛いほどよく分かりますね。」と述べています。
パフォーマンスの向上は自動車産業にとってうれしい知らせであり、結果的に車の所有者にとっても同じです。 LEXT OLS5000 顕微鏡は、これらの重要な添加物の確実で正確な検査を実現し、あなたの新車も心配は不要です。
その用法における全文はこちらから。