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非破壊検査がどのように高圧送電線の安全電流の維持に役立っているか

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高圧電力絶縁体

危険な電流が送電塔を通って地上に流れないように電柱や送電塔に送電線を取り付ける際、高圧絶縁体が使用されています。 その高レベルの電気抵抗特性によって、磁器、セラミックおよび複合材が、送電線や鉄道の牽引電源線の絶縁体として使用されています。

汚染物質に有効なコーティング

時間と共に、塩水噴霧や化学物質の粉塵などの大気汚染物質が絶縁体に蓄積し、導電性パスを生成してフラッシュオーバーとして知られる高圧の放電を引き起こすことがあります。 フラッシュオーバーは危険で、発生時に人が絶縁体に近づきすぎると命に関わることもあります。 電線の近くで機械の操作や作業を行う、建設や農業、鉄道の従業者は、押し並べて危険にさらされる可能性があります。

汚染物質の蓄積によって引き起こされるフラッシュオーバーを防止するため、シリコンコーティングが高圧絶縁体に適用されています。 その効果を得るには、コーティングは最小厚さ要件を満たし、絶縁体に確実に接合されていなければなりません。 費用がかさむため、ほとんどの製造業者は最低限必要な厚さでコーティングしています。

絶縁体の製造業者は品質管理の一環としてコーティングの厚さと接合状況の検査を、定期サービス検査担当者は高圧絶縁体が継続して安全要件を満たしているか確認することを求められています。 コーティング厚さ測定とシリコン絶縁体接合部試験に、当社の2つのソリューションが広く使用されています。

コーティングの厚さ測定

超音波厚さ測定によって、シリコンコーティングが最小限必要な厚さを満たしていることを迅速かつ非破壊で確認することができます。 超音波は異なる音響インピーダンスの材料間の境界で反射します。 シリコンはセラミックや複合材の絶縁体よりインピーダンスが低いため、音のエネルギーがシリコン/絶縁体の境界で反射します。 シリコンの音速に合わせて厚さ を校正することで、絶縁体を損傷することなくコーティングの厚さを迅速かつ繰り返し測定することができます。

38DL PLUS®または45MG超音波厚さ と一振動子ソフトウェアを用いてシリコンコーティングの厚さを測定できます。 音響結合を可能にするのに十分なアクセスがある場合は、M1016 10 MHz接触型探触子のご使用を推奨します。 ハンドルケーブル(LCMH-74-3)を使用して距離を延長できます。 絶縁体の形状によってM1016による音響結合ができない場合は、M2055ハンドル形20 MHz遅延材付き探触子を推奨します。 約0.005インチ(0.12 mm)から0.050インチ(1.25 mm)の厚さ測定範囲で測定できます。 より厚いコーティングや減衰性のあるコーティングが塗布された材料を検査する場合は、M110-RM 5 MHz接触型探触子などの低周波数の探触子の使用が必要な場合があります。

M1016プローブによるシリコンコーティングの測定
M1016プローブによるシリコンコーティングの測定
M2055遅延材付きプローブによるシリコンコーティングの測定
M2055遅延材付きプローブによるシリコンコーティングの測定

シリコン絶縁体の接合部試験

シリコンコーティングと複合材の絶縁体は、適切な電気的性能を得るためには接合されている必要があり、接合不良があるとフラッシュオーバーが発生することがあります。 超音波探傷器または波形表示機能付き厚さ計を使用することで、この接合の確実性を迅速かつ非破壊で検査することが可能です。

これらの接合の検査には、EPOCH® 650またはEPOCH 6LT超音波探傷器、38DL PLUSまたは45MG超音波厚さ を、一振動子および波形ソフトウェア、V112-RM 10 MHzプローブなどの小径の接触型探触子と併用することを推奨します。 このプローブは小型のため、絶縁体のフレアスカート間に適用できます。

剥離した接着部/負極性ピーク
剥離した接着部/負極性ピーク

密着した接着部/正極性ピーク
密着した接着部/正極性ピーク

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スタッフ、ライター

Sarah Williamsは約10年間、放送業界で研究者およびコピーライターとして活動しています。ライターおよび編集者としてのスキルを活かし、Evidentの幅広い非破壊検査(NDT)ソリューションについて説得力のある、クオリティの高い原稿を提供しています。遠隔目視、マイクロスコープ、超音波、渦流探傷、フェイズドアレイなどの最新技術を取り上げ、世界各地におけるこれらの技術の活用や品質および安全性向上への貢献についても調査しています。ケベック・シティのオフィスに勤務し、パートナーと3人の子どもたちと共に暮らしています。

8月 13, 2019
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