美しく光沢のある真珠は、ジュエリー業界で常に魅力的な材料であり続けています。しかし、この自然環境を由来とする生物試料の価値は、種類、真贋、特徴(サイズ、色、形、光沢、表面など)によって大きく異なります。
価値を左右する主な要因の1つは、海水真珠と淡水真珠のどちらであるかという点です。一般的に、海水真珠は希少性、光沢、品質の面で淡水真珠より価値が高くなっています。淡水真珠は美しいながらも豊富に作られるため、通常は安価です。
これに加えて、天然真珠か人工真珠かという真贋の要素もあります。本物の真珠は、生物由来の成り立ち、唯一無二の特徴、市場需要によって高価になりますが、人工真珠は手頃な価格で美的魅力があることが主に評価されます。
では、真珠の種類と真贋を効果的に見分けるにはどうすればよいでしょうか。
ますます難しくなる本物の真珠の見極め
かつては、淡水真珠と海水真珠を見た目で区別することができました。しかし、近年の模造技術の向上と人工真珠の継続的な改良によって、真珠の見極めがある程度難しくなっています。多くの場合、肉眼だけで見分けるのは困難です。
真珠の種類を見た目、温度、手触りなどの従来の方法で正確に見極めることはもはや不可能といえます。そのため、真珠の種類と真贋の見極めには、もっと信頼できる判定方法が必要です。
XRF技術を使用した簡単な真珠判定
ポータブル蛍光X線(XRF)技術は、真珠を傷つけずに判定するための優れた手法をもたらします。XRFではX線を用いて、さまざまな種類の真珠に含まれる化学元素を分析および検出します。海水真珠と淡水真珠の元素組成を知ることで、分析結果を真珠の種類と突き合わせて即時に判定できます。
次の例を考えてみましょう。VantaハンドヘルドXRF分析計を使用して真珠試料を検査すると、一般に海水真珠には高レベルのストロンチウム(Sr)が含まれ、マンガン(Mn)はほとんど含まれていないことがわかります。対照的に、淡水真珠では高レベルのマンガン(Mn)と低レベルのストロンチウム(Sr)が検出されます。
Vanta分析計による海水真珠(左)と淡水真珠(右)の検査結果
ポータブルXRF技術は本物の真珠と偽物の真珠の判定にも役立ちます。天然真珠は主に炭酸カルシウムからできています。それに対して偽物の真珠は、一般にガラスや樹脂でできています。
本物の真珠(左)と偽物の真珠(右)
XRFの結果を使用して、真珠の大半の成分が炭酸カルシウムかどうかを確認すれば、天然真珠と人工真珠をすぐに識別できます。このプロセスの詳細は、ブログ記事輝きはダイアモンドかラインストーンか:蛍光X線分析計による高価な宝石の識別をご覧ください。
真珠判定におけるXRF結果の正確さと効率性
Vanta分析計のGeochemモードを使用すれば、正確さに関して厳密な要件を満たす真珠判定が可能です。従来のラボによる検査と比べると、検出効率は5~10倍向上しています。
Vantaシリーズには、ショールーム向け設計のハンドヘルドXRF分析計とベンチトップXRF分析計があるので、その場で簡単に結果を得られます。 XRFによる真珠判定に関するご質問やデモのリクエストは、当社にお問い合わせください。
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