画像解析ソフトウェアシステムを使用すると、清浄度分析を効率的かつ経済的に行うことができます。
流体および精密に機械加工された部品の清浄度を確保することは、自動車、航空宇宙、鉄道、水・油圧装置を含む幅広い産業にとって重要なことです。極めて小さな粒子であったとしても、それによって汚染された部品を使用すると高コストの故障を引き起こして製品全体の耐用年数を縮めてしまうことがあります。したがって、清浄度分析は品質管理プロセスにとって不可欠な工程です。現在の最新式画像処理ソフトウェアシステムは清浄度分析を効率的かつ経済的に行えるよう設計されているため、手動の光学計数法をはるかにしのぐ利点があり、あらゆる国際規格(ISO 16323、ISO 4404など)への確実な適合を容易にしています。
手動光学粒子計数法は長年にわたって普及していましたが、精度と再現性に関して懸念があったことから、画像解析ソフトウェアによる自動化されたソリューションが開発されました。手動計数システムは、一般に実体顕微鏡の使用に基づいています。オペレーターはフィルター膜を走査し、接眼レンズ内の目盛りを使って粒子を計測します。この方法では、オペレーターはフィルターに印刷された格子線を頼りに走査することになるため時間がかかり、エラーが起こりやすくなります。個々の格子を手動で検査しなければならないので、オペレーターが位置を見失ってフィルターのセクションを読み飛ばすことがよくあります。
それぞれのオペレーターが走査と粒子計数の全てを手で行うため、様々なエラーが発生する可能性があります。特に懸念されるのが、フェレ径、すなわち個々の粒子に接する2本の平行する接線間の最大距離を正確に測定し、かつその測定を再現できるオペレーターの能力です。これらのデータセットは国際規格および国内規格への適合に要求されるため、重要です。
また、手動計数ではデータの永久的な記録が残らないため、再試験の必要に迫られる可能性があります。
残留粒子はフィルター膜上に集められてろ過されます。 |
オリンパスの清浄度検査装置CIX100などの画像分析ソフトウェアシステムは、自動的に位置決め、計数、粒子サイズの測定を行いながら、レポートに使用できる品質の画像と測定値を提供する、直感的な操作が可能な計数ツールです。ユーザーは、しきい値の設定で、システムが検出する最小粒子サイズを設定します。これが規定されると残りのプロセスは完全に自動的に行われるので、システムが全ての作業を行っている間、作業者は他の業務を行うことができるようになります。
フィルターが電動式の顕微鏡ステージに配置されると、ユニットがわずか数分間でフィルター全体の走査とイメージングを行います。検出される粒子のフェレ径のサイズは、2.5ミクロンから数ミリメートルです。ソフトウェアはそれぞれの粒子に同じ測定基準を適用するため、オペレーターが手動で計測を行う際に生じるバラツキが排除されます。
清浄度検査装置CIX100のようなソフトウェアシステムには、他の種類の自動粒子計数機よりも優れた利点があります。一部の方法、例えばレーザー光学粒子計数法は、コストが高く、偽陽性が生じる傾向があり、視覚的画像も得られません。SEMなどの他の方法は高価で、時間がかかり、多量のサンプル調製を必要とします。しかし、現在の最新の画像分析ソフトウェアは、経済的で、簡単なトレーニングを行うだけで使用することができます。その精巧な計測技術が、専門的なレポート作成に使用可能な、構成部品の清浄度に関する定量的な検証を提供します。
走査が完了するごとに、ソフトウェアシステムは粒子サイズの分布と分類に関する読みやすいレポートを、統計情報および確認を容易にする完全な写真サンプルマップを添えて、自動的に作成します。自動分類機能は、測定した粒子を、カテゴリー別に、または保存先別に分類することができます。個々の保存先のサイズは、会社が使用しているどのような規格にも準拠することができます。
この機能により、ユーザーはサイズ別の粒子分布を容易に調べることができるようになります。ユーザーは、go-back-to-particle機能を使って、即時の検証を行うために装置が検出した粒子にすばやく戻ることができ、修正モードを使うと、粒子の分離、削除、移動、あるいは完全な再分類を簡単に行うことができます。
流体および機械加工部品の清浄度は、製品全体の信頼性、品質、耐用年数に直接影響を及ぼします。適切な画像分析ソフトウェアシステムは、再現性があり信頼性の高い清浄度分析と流体清浄度に関する結果を提供する単一ソースのソリューション、すなわち、検出、視覚化、識別、およびレポート作成のための総合的なフェイルセーフシステムを実現することができます。