コンクリート構造物があるその場で!迅速に!
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これらの試験方法の代替えとして、コンクリート中の塩素(Cl)量をその場で迅速に測定できるハンドヘルド蛍光X線分析計Vantaが、検査効率を改善できるツールとして有効です。 図は、コンクリート中の塩素(Cl)量をVantaでコンクリートコア表面を10秒で測定した結果画面の例です。着目する元素以外の結果を非表示にすることができ、ユーザーファクター機能や仮想元素機能を用いて、基準サンプル(標準試料)の値に検量線を用いて補正したり、Vantaの測定値の単位(wt%)を、表示させたい単位(kg/m3等)に換算した値で表示したりすることもできます。(ここでは、コンクリート密度を2350kg/m3として塩素(Cl)量を換算した値を表示しています) |
コンクリートサンプルの測定例擬似的にコンクリート中の塩素(Cl)量を0.3~20kg/m3程度に変化させて作成した複数の粉末サンプルにおいて、電位差滴定法とVantaで測定した結果です。 | |
橋梁サンプルの測定例ある橋梁の表面から深さ方向に2cm刻みでドリル法により採取した粉末サンプルを、電位差滴定法とVantaで塩素(Cl)量を測定した結果になります。 機種はVanta Cシリーズ、測定時間はSoilメソッドで30秒になります。実際の橋梁サンプルにおいても、Vantaで測定した塩素(Cl)量は、電位差滴定法の値と比べても遜色ないデータが得られていることが分かります。 |
深さ(cm) | 0-2 | 2-4 | 4-6 | 6-8 | 8-10 | 10-12 | 12-14 | 14-16 | 16-18 |
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滴定法(kg/m3) | 17.26 | 22.46 | 20.00 | 17.01 | 13.57 | 5.92 | 3.96 | 2.12 | 0.79 |
Vanta(kg/m3) | 14.23 | 23.06 | 20.85 | 16.44 | 14.76 | 5.69 | 4.37 | 2.84 | 0.81 |
粉末サンプルや小さなコアサンプルを測定するには、インターロック付き遮蔽チャンバーを備えたワークステーションを組み合わせて使用することにより、現場でも安全にかつ簡単に測定することができます。大きなコアサンプルや橋梁等のコンクリート表面を測定する際には、Vanta本体を直接サンプルに当てての測定も可能です。 | ||
近年では、コンクリート表面付近の塩素(Cl)量を測定し、そのコンクリートの種類に応じた各種パラメータを設定した理論曲線(フィックの拡散方程式)を利用して、コンクリート内部の塩化物イオン量を算出することも検討・評価されており、さらなる検査効率の改善が期待されています。 このようにVantaでの測定は、現場で迅速にコンクリート中の塩素(Cl)量を把握することができるので、従来のラボでの検査に比べ、検査効率を大幅に改善することができ、メンテナンスコストや人件費の削減が可能となります。また、ドリル法で採取した粉末サンプルだけでなく、コアサンプルやコンクリート表面を直接測定することもできるので、今後のコンクリート構造物の塩害調査に大きく貢献することができます。 |
測定の様子も動画でご覧いただけます! | |
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