発電、および石油化学産業においては、タービンのような回転する設備のダウンタイムを短縮することが、プラントの効率と収益性にとっての重要な要素となります。広い視野、汎用性の高い計測機能、使いやすいソフトウェアを備えた最新のビデオスコープを使用することにより、検査員は詳細な画像と計測値を迅速に取得して検査の効率を高め、アップタイムを最大化できるようになります。多種多様な装置があるため困難な環境ですが、プラント検査は重要です。タービン、ポンプ、発電機、コンプレッサー、およびギヤボックスのような回転する機械装置は、応力と歪みを絶えず受けるので、故障を防ぐため、あるいは高い燃料効率を維持するために定期検査が必要です。定期検査は、さまざまな種類の欠陥と損傷の検出、特定、そして定量化に役立ちます(図1)。
検査効率を向上させる
回転する機械類のアウトプット(および収益性)は、しばしば稼働時間に直接関連します。回転する機械装置を検査するには、稼働の停止や場合により冷却が要求されるため、検査のプロセスをスピードアップすることは、即座に高い費用対効果を生み出します。遠隔目視検査(RVI)は、回転する機械類の、人が入り込めない場所を調べるために一般的に使用されている手法です。オリンパスのIPLEX NXビデオスコープ(図2)のような新世代の遠隔目視装置は、明るい照明、直感的な操作性、および使いやすいソフトウェアを備えており、この種の検査に適しています。 |
大きな構成部品
広い視野
タービンブレードのような大きな構成部品のイメージングと計測をスピードアップするために設計されたIPLEX NXビデオスコープの表示領域は、従来のビデオスコープに比べて4倍大きくなっています(図4)。表示領域が大きいということは、複数の画像をつなぎ合わせなくても、大きな構成部品の適切な全体像が容易に得られるということを意味します。これにより、RVIワークフローがより簡単かつ迅速になります。拡大された表示領域は、計測もより簡単にします。多くの場合、検査員は欠陥を検出すると、それを定量化する必要があります。これは例えば、検査が欠陥とブレードの根元との距離を計測しなければならない場合や、割れの寸法を計測しなければならないような場合です。表示領域が大きければ、2つの別々の画像に基づいて計測する必要がなくなるため、スピードと精度を同時に確保できるようになります。 | 図4—IPLEX NXビデオスコープの4倍大きくなった表示領域が、欠陥のイメージングと測定の両方を容易にする |
検査し、ソートし、報告する
RVIの効率を決定するもうひとつの重要な要素は、画像の注釈付けや整理、および報告書作成のサポートです。多くの場合、検査員は適切に管理すべき多数の画像を検査中に撮影しますが、報告書作成のため検査中に自由に操作できるのは、たいてい片手だけです。オリンパスのInHelp画像管理・報告書作成ソフトウェアを用いると、検査中に、容易に画像に注釈を付けて整理することができます。検査員は、クリックひとつで、損傷の重大さ(図3)に基づいて欠陥をスコアリングすることも可能になります。これらの特長は、報告書作成をより迅速かつ容易にし、同時にヒューマンエラーのリスクも減らします。
要約
回転する機械類のダウンタイムには高いコストが伴うため、迅速な検査はプラントのアウトプットに対して大きな利点をもたらします。迅速かつ信頼性の高い検査に特化した数多くの機能を搭載するオリンパスのIPLEX NXビデオスコープは、石油化学産業および電力産業におけるRVI検査に適しています。計測範囲の広さと使いやすいソフトウェアが、明るい照明と適応性のある湾曲機能とともに、IPLEX NXビデオスコープによるダウンタイムの最小化とプラント収益性の最大化に貢献しています。