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渦流アレイチュートリアル

渦流探傷の用途と能力

渦流探傷器への投資をご検討中でしたら、用途と能力を知ることが重要です。この記事では、各産業で渦流探傷(ECT)を使用して特定の規制や品質規格に合わせるさまざまな方法について説明します。用途別に最適な検査方法と機器についても触れます。
 

リベット材検査

プローブ内の個々の渦電流コイルは、検査対象である構造体の位相と振幅に応じて信号を生成します。ECT装置のイメージング機能によって、このデータがエンコード位置や時間の基準となったり、C-スキャン画像としてグラフィック表示されたりします。欠陥のあるリベット上を渦電流コイルが移動すると、特異な信号応答が生成されます。リベット穴から生じた亀裂に影響を受けたコイルでは、振幅変化がC-スキャン表示として示されます。変化を検出しないコイルについては、C-スキャンのカラー表示は一定に保たれたままです。
 

腐食検出

渦流アレイ(ECA)技術を用いた腐食検出は、従来の渦流探傷法に勝る大きな利点があります。個々の渦電流コイルは、検査対象である構造体に応じて特異な電気信号を生成します。コイルでは、材料厚さ内の非常に小さな変化やその他のパラメーターが検出可能で、それらの変化が色分けしたC-スキャン画像として表示されます。渦流アレイを用いたイメージングによって、プローブのコイルから生成されたデータを容易に解釈できます。収集された検査データは、保存、転送、分析が可能です。
 

亀裂検出

亀裂検出用の渦流探傷器は、鉄材および非鉄材の表面亀裂を検出する高周波数機器と、非鉄材の表面下亀裂を検出する低周波数機器に分けられます。渦流探傷は表面亀裂の検出に高い感度を発揮します。2 MHzオーダーの周波数では高い分解能が得られますが、プローブが小さいため、広い領域の表面を検査するには時間がかかります。

低周波数の探傷器には、最適なコイルインダクタンスを得るために大型のプローブが必要です。表面下の電流場は位相の変化に影響を受けるため、位相検出回路も必要です。非鉄材の表面下亀裂を検出するには周波数設定が重要で、浸透深さに応じて100 Hz~100 kHzの範囲に設定します。
 

チューブとワイヤの検査

渦流探傷では、チューブ、バー、ワイヤの欠陥を最大3 m/sで検出できます。これには自動システムを使用して、既知の欠陥を持つチューブやワイヤを取り除いたりマーキングを行ったりします。一定に保たれる検査速度とディファレンシャルコイルのおかげで、この速さで検査信号の変調を行い、フィルタリングでノイズを取り除くことができます。別のコイルを使用すると、欠陥のあるチューブが検出されずに渦流システムを通過してしまう場合があります。チューブやワイヤの検査に渦流探傷を使用する産業では、エッジ効果や押し出し欠陥にも気を付ける必要があります。エッジ効果のため、チューブの端部は検出できず、バーの中心に沿った押し出し欠陥は、渦電流場の強度がゼロであるため検出できません。
 

復水器管検査

渦流探傷技術は復水器官検査にも使用されます。復水器の最も多い欠陥はチューブ減肉です。ECT探傷器でf90という周波数を選択すると、外部表面の減肉からの信号は、内部表面の減肉の信号から位相を90°ずらすことができます。減肉の範囲を200~300 mm/sの速度で検査するには、2チャンネル式ストリップチャートレコーダーのインピーダンス図からX信号とY信号を記録します。

復水器管を隔てるバッフルプレートは、検査中に問題を引き起こす場合があります。通常、チューブは非鉄材製で、ステンレス鋼、キュプロニッケル、チタンでできています。バッフルプレートは鉄製であり、透過信号がチューブとバッフルプレートの間からの減肉信号を妨げます。この問題を克服するように設計された探傷器では、2つの周波数を同時に使用し、2つの信号を合わせることで、不要な透過作用を除去しています。
 

材料分類

特定の材料を区別するためにさまざまな渦流探傷法を使用できます。導電率メーターを使用すると、アルミニウムや銅の合金を分類できる一方で、鉄や電磁材料を分類するブリッジを使用すると、どの鋼鉄が硬化されているかを識別して分類できます。渦流探傷法では表面下に浸透できるため、材料特性を示す優れたサンプル結果が得られます。検査速度が非常に速く効率的でもあります。
 

溶接部検査

高周波数の渦流探傷器を使用すると、鉄の溶接部の欠陥を検出できます。渦流探傷を使用する利点は、塗装層越しに亀裂を検出できる点です。検査材料をどのようにも傷つけたくない場合には特に有用です。短所としては、浸透度の変化や粗い表面からのリフトオフノイズが検査結果に影響する場合があることが挙げられます。水中で補完的な磁粉探傷を行う装置を使用して、止端割れからの強い不要な欠陥指示を区別することができます。これによって、溶接部探傷の問題をある程度克服できます。
 

コーティング厚さ測定

渦流探傷が持つ表面近傍の高い分解能によって、金属基板上のコーティング(金属と塗料の両方)の厚さを正確に測定できます。
 

ボルト穴検査

ナット、ボルト、ボルト穴が特定の規格を満たしていることを確認するには、有用な技術が必要です。航空宇宙などの産業では、この検査が人々の健康と安全を左右する可能性があります。渦流探傷器を多層材のボルト穴検査に使用すると、欠陥のある層を識別できます。ボルト穴の欠陥は小さくて検出しにくいことが多いため、渦流探傷で電磁場を使用して、微細な不規則性を高い精度で高速検出します。
 

渦流探傷はどのぐらいの頻度で実施する必要がありますか?

理想的な渦流探傷の頻度は3~5年に一度ですが、詳細にモニタリングが必要な進行中の損傷がある場合はさらに頻度を上げて、特定の規格や健康と安全の基準を確実に満たすようにする必要があります。定期的に検査が行われるようにするため、渦流探傷を年次検査に組み込むことをお勧めします。

上記の用途に適した渦流探傷器をお探しの場合は、こちらの探傷器プローブのページをご覧ください。この探傷法の実用例をさらにご覧になりたい場合は、アプリケーションノートに当社製品の実際の使用例が取り上げられています。
 

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