渦流探傷(ECT)は非破壊検査の一種としてさまざまな産業で使用されています。この検査法には広い用途があります。欠陥検出、材料やコーティングの厚さ測定、材料判定、特定材料の熱処理状態の判定などです。迅速な非破壊検査を行うことで、健康・安全の規制や製品の厳しい品質基準に確実に準拠できるようになります。些細な欠陥が深刻なリスクをもたらす可能性がある、航空宇宙などの産業では特に重要です。事業に渦流探傷技術が役立つかどうかを見極めたいお客様のために、ここではオリンパスがお手伝いしているさまざまな産業と、当社ECT機器が使用されている各種用途について取り上げます。
渦流探傷法は、航空宇宙産業での亀裂および腐食の検出のほか、導電性検査に広く使用されています。渦流探傷器は表面や表面化の亀裂・腐食の検出に高い感度があり、小さな欠陥が費用のかかる故障や重大な障害の原因となるこの業界では重要です。導電性検査を行うと、鉄合金と非鉄合金の識別、分類や、熱処理の検証が可能です。渦流探傷器を使用して、車輪、支柱、プロペラ、機体、ハブ、エンジン部品、その他の重要な部品を検査できます。欠陥を早期に識別すれば、修理費用を削減し、健康・安全の厳密な規制を満たすことができます。
渦流探傷器は、石油・ガス産業全体で溶接部の亀裂検出に使用されています。機器の完全性と、石油精製・採取作業の安全性のどちらにとっても、非破壊検査は重要です。また、金属パイプラインの亀裂検出は、石油・ガス産業において重要事項です。パイプラインは石油化学産業における最長・最大のインフラの1つであり、高速のNDT検査機器は重要な資産となっています。
造船業では、渦流探傷器は溶接部の亀裂検出に使用されています。造船における溶接部検査は重要です。溶接部に障害があれば構造不全になる可能性が高く、高額な修理や安全上のリスクにつながるためです。最も重大な欠陥は、亀裂、融合不良、溶け込み不良、アンダーカットです。したがって、造船に関するほとんどの品質規約や規格は、これらの欠陥を防ぐように作成されています。渦流探傷法は溶接部の表面および表面下の亀裂に高い感度を発揮するため、製造業者は溶接部の高い品質を確保するとともに、あらゆる損傷に迅速に対処できます。
渦流探傷器は、自動車産業における部品の欠陥検査と、硬度試験および熱処理試験の実施に使用されています。渦流探傷システムは、自動化して製造工程に組み込むことができます。機械が部品を持ち上げて検査位置まで動かし、検査コイルを試験体に下ろすか、コイル上に試験体を置いて、信号を探傷器に送ります。自動化された渦流探傷は速く明確で、製造ラインを動かし続けられます。自動車産業における欠陥の識別は、品質管理の確保と健康安全性ガイドラインの順守のために必要不可欠です。
発電およびケミカルリファイナリー産業では、渦流探傷器はチューブ検査と溶接部検査に使用されています。これらの産業では、重要な資産の検査と安全で費用効果の高い稼働のために、正確で確実な検査法が求められます。渦流探傷器を使用すると、厳しく危険な環境のため人が操作するのに安全でない領域に対して、リモート検査が可能です。発電およびケミカルリファイナリー産業における渦流探傷器の用途としては、タービン、一次および二次パイプ、溶接部、容器部品、熱交換器、原子炉容器、核燃料プールなどの検査があります。渦流探傷法では信頼性が高く正確な状態検査が可能です。危険な化学物質や機械を伴う産業で欠陥を見逃すことは、大惨事になるおそれがあります。
オリンパスでは業界をリードする渦流探傷器を用意しています。ここに挙げた産業で働くユーザーは、厳格な品質規格と安全上の規制に準拠できる最新テクノロジーの恩恵を受けられます。当社のラインナップの詳細については、こちらのウェブサイトをご覧ください。