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超音波探傷チュートリアル

2.4 ビーム特性

従来型の超音波の一振動子型探触子(縦波)は、高周波機械振動、つまり音波のピストン源として機能します。 電圧がかかると、圧電探触子の振動子(水晶ともいう)が表面に対して垂直方向の加圧によって変形します。 電圧がなくなると、通常1マイクロ秒も経たないうちに振動子が元に戻り、超音波を構成する機械エネルギーのパルスを生成します。 以下は、圧電振動子が短い電気パルスに反応する仕組みを表した概念図です。

超音波NDTで最もよく使用されるタイプの探触子は、以下に示す基本的な機能特性を持っています。

タイプ:探触子は、直接接触型、遅延材付き、斜角、水浸型の各機能に従って識別されます。 表面の粗さ、温度、アクセス性などの検査対象材料の特性のほか、材料内の欠陥の位置や検査速度などといったすべてが、探触子タイプの選択に影響します。

直径:探触子の振動子径。通常、やや大きい筐体に収められます。

周波数:1秒間に繰り返す波サイクル数。通常キロヘルツ(KHz)かメガヘルツ(MHz)で表します。 産業用超音波検査のほとんどは500 KHz~20 MHzの周波数帯域で行われており、大部分の探触子はこの帯域のものです。しかし、販売されている探触子には50 KHz未満のものや200 MHzを超えるものもあります。 低周波数になるほど浸透性が増し、高周波数になるほど分解能や焦点精度が増します。

帯域幅:特定の振幅限度内の周波数応答域。 これに関連して注意すべきことは、典型的なNDT用探触子は、純粋な単一周波数の音波ではなく、公称周波数を中心に、ある周波数領域にわたって音波を発生するということです。 工業用規格はこの帯域幅を-6 dB(振幅の半分)ポイントと指定しています。

波形持続時間:探触子がパルス発信する毎に生成する波サイクル数。 狭帯域幅の探触子は、広帯域幅のものよりサイクル数が多くなります。 振動子径、バッキング材、電気同調、探触子の励振方法といったすべてが波形持続時間に影響を与えます。

感度:励起パルス振幅と設定したターゲットから受信したエコー振幅の関係。

大まかには、典型的なディスクタイプの非集束探触子のビームは、振動子域を源として発生したエネルギーが柱状に広がったものと考えられることが多く、その形状は徐々に径を増し、最終的には消散します。

ビームの広がり

ところが実際のビーム形状は複雑で、音圧勾配は横軸、縦軸の両方向にあります。 下のビーム形状図では、赤い部分がエネルギーの最も高い部分を表し、グリーンとブルーの部分はエネルギーが相対的に低い部分を表しています。

画像/ビーム

探触子の音場は、近距離音場と遠距離音場の2つのゾーンに分かれます。 近距離音場は探触子に近い領域を指します。近距離音場は音圧が一連の上下限を繰り返し、探触子表面から軸上の最大音圧距離Nで終わります。 近距離音場限界距離Nには、探触子が生成する自然なビーム集束が表われます。

近距離音場

遠距離音場はNを超えた領域を指し、ビーム径の拡大とエネルギーの消散に伴って音圧が徐々に低下し、最終的にはゼロになります。 Nは探触子の周波数、径、および試験媒質の音速の関数であり、超音波探傷で最もよく使用される円形振動子の場合、以下のように計算されます。

N = D2f/4cまたはN = D2/4λ
ここで:
N = 近距離音場限界距離
D = 振動子径
f = 周波数
c = 材料音速
λ = 波長(c/f)

球面点近距離音場内では音圧にばらつきがあるため、振幅をベースとした方法では欠陥を正確に評価することは難しいといえます(近距離音場内での厚さ計測は問題ありません)。 さらにNは、探触子ビームが音響レンズまたは位相整合法を利用して集束可能な最大距離を表します。 水浸型探触子は音響レンズにより集束し、小さな焦点ゾーンに狭めてから広がる砂時計形状のビームを形成します。 特定のタイプの遅延材付き探触子も同様に集束できます。 ビーム集束の使用が最適なのは、小径チューブや鋭角の試験体の検査です。音響エネルギーを小さい領域に集めることでエコー応答が高まるためです。

集束
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