Evident LogoOlympus Logo
超音波探傷チュートリアル

3.6 校正の概要

OmniScan MX2「校正」という用語は、超音波探傷に関しては次の3つのプロセスに使用されるようになりました。音速/ゼロ点校正:新しい検査材料または探触子を使用する場合に必ず実行します。基準校正:標準試験片に対して設定します。校正証明:装置が正しく測定していることを定期的に検証します。

音速/ゼロ点校正

超音波探傷器は、エコーを極めて正確に計時することで厚さ、深さ、または距離を測定します。 この時間測定値を距離の測定値に変換するため、探傷器は、検査材料の音速と、探傷器、探触子の種類、またはエコーの形状によって必要となるゼロ点補正でプログラムする必要があります。 このプロセスは、一般に音速/ゼロ点校正と呼ばれています。 超音波による厚さ、深さ、または距離の精度は、この校正をどの程度正確かつ注意深く行ったかによって決まります。 校正が不正確だと、測定値も不正確になります。 幸い、校正のプロセスは通常簡単で、各種の材料および探触子に対する校正データを保存し、すばやく呼び出すことができます。

音速校正では、探傷器は検査材料の基準サンプルの音速を測定してその値を保存し、測定された時間間隔から厚さを計算します。 音速に影響する主な要素は、材料の密度と弾性、材料の組成、粒子構造、温度です。 ゼロ点校正では、探傷器は既知の厚さの材料サンプル測定値を使用してゼロ補正値を計算します。ゼロ補正値は、実際の音波経路以外の試験体内要素を表す合計パルス伝搬時間の一部を補正します。 一般的な探傷用途でゼロ値に影響する主な要素は、ウェッジ遅延、つまり音波がプローブの外に出るのにかかる時間の合計です。 その他の要素には、電子交換遅延、ケーブル遅延、カプラント遅延があります。

音速およびゼロ点校正の推奨手順は「2点校正」です。この方法では、寸法が正確にわかる異なる厚さの検査材料サンプルが必要です。 探傷用途では、IIW基準試験片を使用した2点校正を行うケースが多くあります。この試験片では複数の異なる音波経路長を利用できます。 探触子を既知の長いビーム路程と短い音波経路に結合させ、探傷器がそれぞれのパルス伝搬時間を測定したら、オペレーターが既知の厚さまたは距離を入力します。 これらの4つの有効なデータポイント、入力した2つの厚さ値または距離値、それぞれについて測定された伝搬時間を使用して、探傷器はその方程式を解く一意の音速とゼロ値を計算します。 これらの値は測定値に使用され、設定の一部として保存できます。

最新の探傷器には、ユーザーが初期の音速/ゼロ点校正プロセスをたどれるように設計されたソフトウェアプロンプトがあります。 このプロセスについてはセクション4で説明します。

基準校正

基準校正とは、適切な試験片や同様の標準試験片に対して特定の検査を設定するプロセスです。 通常、このプロセスでは、試験体の欠陥指示と比較するために標準試験片から信号振幅レベルを確立します。 必要な基準校正の詳細は、特定の各検査についてユーザーが確立した手順に含まれるのが一般的です。

校正証明

校正証明は、特定の試験条件下における超音波探傷器の測定精度と直線性を文書化するプロセスです。 探傷器では、横方向(深さや距離)と縦方向(振幅)の両方の証明を示します。 多くの場合、こうした証明は認定された標準や規格(ASTM E-317やEN12668)に従って実行されます。 実証された検査条件下での測定精度は、通常、製造業者が所定の装置について確立した許容誤差と比較されます。 旧来のアナログ機器の場合、校正証明はオペレーターが収集したデータを使用して手動で行うものでしたが、デジタル機器では、コンピューターソフトウェアが関連パラメーターを検証し自動プロセスで証明されることがほとんどです。

探傷用途における測定精度は、探傷器自体の完全性のほか、適切な設定に大きく左右されるため、所定の検査に対してどの程度のレベルを要求するかにかかわらず、ユーザーは測定精度を検証する責任があります。 通常、この手順は簡単で、適切な標準試験片を使用して測定値を確認するだけです。

このページはお住まいの地域ではご覧いただくことはできません。
Let us know what you're looking for by filling out the form below.
このページはお住まいの地域ではご覧いただくことはできません。