超音波検査機器は60年以上にわたり、さまざまな産業用途で使用されています。 1940年代以降、高周波音の個体材料伝搬に関する物理法則は、金属、複合材料、プラスチック、セラミック等の部品内部の隠れた亀裂、空洞、ポロシティなどの内部欠陥の検出や、厚さ測定、材料特性分析に利用されています。 超音波探傷は完全に非破壊かつ安全で確立された検査法であり、多くの製造、加工、サービス産業分野において、特に溶接部検査および構造物用金属検査の用途で使用されています。
超音波検査の成長は概ねエレクトロ二クス、後にコンピューターの発達と並行しています。 1930年代、欧米の初期研究により、高周波音は隠れた傷や材料の境界部分から予測可能な形で反射し、オシロスコープ画面に表示可能な明瞭なエコーパターンを生成することが立証されました。 第二次大戦時のソナー開発は、この超音波研究をさらに推進することになり、 1945年、米国の研究者フロイド・ファイヤーストーンは、Supersonic Reflectoscope(超音波反射鏡)と称する機器の特許を取得しました。これは、今日普遍的に採用されているパルスエコー技術を利用した最初の実用的超音波探傷器の商品であると考えられています。 この開発は、その後の多く商品開発、市場導入につながっていくことになりました。 1960年代および1970年代に超音波探傷器、超音波厚さ計、超音波探触子の開発を主導した会社にはPanametrics社、Staveley社、Harisonic社がありますが、これらの会社はすべて現在オリンパスNDTの一部門となっています。
1940年代後半、日本の研究者が、組織層の2次元断面画像を取得できる初期タイプのB-スキャン機器を人体に使用し、超音波検査の医療診断利用の先駆けとなりました。 1960年代までは、初期タイプの医療用スキャナーが腫瘍や胆石などの症状の発見に使用されていました。 1970年代には精密な超音波厚さ計が導入され、超音波検査は多岐にわたる製品製造工程で利用されるようになります。これにより、片側からのアクセスしか許されない条件下で部品の厚さを測定できるようになりました。また、超音波腐食検査用厚さ計が普及し、金属パイプやタンクの残存する壁の肉厚測定に使用されるようになります。
超音波機器の最新の進歩は、信号のデジタル処理技術および1980年代以降に入手可能となった廉価なマイクロプロセッサーがベースとなっています。 このようにして、最新世代機器の超小型化、信頼性の高いポータブル型機器の実現、探傷、厚さ測定、音響画像検査用などのオンラインシステムの向上につながっています。