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超音波探傷チュートリアル

9.6 フェーズドアレイ

フェーズドアレイイメージング

このチュートリアルでは、一振動子型および二振動子型探触子を使用した従来型超音波探傷について説明してきました。 しかし、超音波非破壊検査(NDT)テクノロジーが発展するにつれて、256以上もの素子から成る高度なアレイプローブを使用するフェーズドアレイシステムが各種業界で増加を見せています。これによって、溶接部検査やボンドテスト、厚さプロファイリング、稼働中探傷などの一般的な超音波検査において新たなレベルの情報と視覚化が得られるようになりました。

超音波フェーズドアレイ技術が従来型の超音波検査と比較して優れている点は、複数の振動素子を使用することにより、単一の探触子でビームのステアリングやフォーカシング、スキャニングができる点です。 ビームステアリングは一般的にセクタースキャンと称され、検査対象物を適切な角度でマッピングするために使用できます。 これによって複雑な形状の対象物の検査が非常に簡単になります。 接触面積が小さく、探触子を動かさずにビームをスイープできるため、機械的スキャンでは検査対象物へのアクセスが制限されるような状況でも検査が可能になります。 セクタースキャンも溶接部検査に一般的に使用されます。 単一プローブで溶接部を広視野角で検査できるため、欠陥検出率が飛躍的に高くなります。 電子フォーカスは予測した欠陥位置でのビーム形状およびビームサイズを最適化するため、検出率も最適化されます。 深さについても複数ポイントのフォーカスができるため、容積検査での重大欠陥サイズの測定能力が高くなります。 フォーカス調整により、困難なアプリケーションでSN比を大きく向上させることもできます。また、数多くの振動素子グループ全体にわたる電子スキャンが可能なため、C-スキャン画像を非常に迅速に作成できます。

フェーズドアレイ探傷の詳細は、オリンパスNDTによる概説超音波フェーズドアレイ技術についてと包括的な超音波フェーズドアレイ チュートリアルを参照してください。

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