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事例・お役立ち資料

位相コヒーレンスイメージングのよくある質問

Frequently Asked Que 

Q:位相コヒーレンスとはどういう意味ですか?

A:A-スキャンの位相は、どの点においても信号を構成する周波数を参照します。 建設的干渉と相殺的干渉の作用のため、A-スキャンは信号周波数と振幅部分を決定する位相部分によって表すことができます。 トータルフォーカシングメソッド(TFM)から派生した位相コヒーレンスイメージング(PCI)では、A-スキャンとその周波数分布内の同等レベル間で位相情報を比較することにより、位相コヒーレンスが決まります。 A-スキャンの周波数分布間で類似性が高いほど、コヒーレンス度が高くなります。

Q:位相コヒーレンスは欠陥の識別にどのように使用できますか?

A:欠陥は超音波を反射または回折するため、欠陥から返される信号の位相は、プローブ周波数に近い小さな帯域内に集中します。 一方で、バックグラウンドノイズの位相に中心周波数はなく、広い帯域に広がります。 複数のA-スキャンが、TFMゾーンの同じ位置にある小さな帯域内の同じ中心周波数を返す場合、コヒーレンス性があります。 コヒーレンス度が高いほど、その位置に欠陥がある確実性が高くなります。

Q:PCIが振幅フリーであるとはどういう意味ですか?

A:PCIでは、TFM画像の生成時に信号振幅はまったく考慮されません。 信号振幅が低くても周波数分布は判別可能なため、高減衰やバックグラウンドノイズのある材料の場合でも、信号のコヒーレンスを変わらず評価できます。

Q:PCI画像の生成にはどれくらいかかりますか?

A:OmniScan™ X3 64探傷器の位相コヒーレンスイメージングはライブで行われるため、検査時にはPCI画像がリアルタイムで画面に表示され、従来のTFM画像が生成される速度とほとんど同じです。 PCIでは処理ステップが追加されますが、機器の強力な高性能データプロセッサーのおかげで、かかる時間はごくわずかです。

Q:PCIは他の位相ベースのTFMイメージング法とどのように違いますか?

A:OmniScan X3 64探傷器のPCIテクノロジー(MXU 5.10の更新に組み込まれています)では、スキャン中のライブデータ処理が可能なので、画像がすぐに表示されます。 現在利用できるいくつかの位相ベースのイメージングオプションでは、すべてのFMCデータを取得して保存する必要があり、事後処理で位相情報が抽出されます。 この結果、スポットチェックにしか適さない、ゆっくりしたスキャン速度になります。 PCIでは、高い処理性能のおかげで、高品質のライブイメージングを行いながら、検査全体を完了できるスキャン速度がかないます。

Q:PCIで小さな欠陥や特性を見やすいのはなぜですか?

A:振幅ベースの手法では、正しい条件下である程度の小さい欠陥を表示できますが、返される信号振幅が小さいため、バックグラウンドノイズに紛れたり、別の高振幅応答に隠れたりすることがあります。 振幅は小さいものの、これらの欠陥から返される信号の位相はコヒーレント性が高くなります。 PCIモードでは、この高いコヒーレンスによって特性解析しやすいホットスポットが作られ、サイジングの基準点に使用できます。 このホットスポットは、亀裂が試験体の表面につながっているかどうかを判断する場合にも有効です。このような亀裂は、従来のTFMでは表示されない場合があります。

Q:PCIの使用時にゲイン調整が使用不可になっているのはなぜですか?

A:PCIの表示結果は振幅とは無関係なので、ゲインは結果に影響しません。

Q:PCIの使用時に、基準に対して信号をどのように調整すればよいですか?

A:その必要はありません。 これはPCIが持つ大きな特長の1つです。基準反射源に対してゲインを調整する必要がないため、セットアップの作成はスピーディーです。

Q:PCIに使用するTFM波形セットはどのように決めますか?

A:これまでと同様に、OmniScan X3 64スキャンプランのAcoustic Influence Map(AIM)ツールを波形セットの選択に使用できます。 PCIの使用時に振幅の変動はそれほど重要ではありませんが、TFMゾーン内で音響分布が適正であるかどうかを確認することは依然として重要です。

Q:PCIでよい性能を発揮するプローブの種類はどれですか?

A:一般に、素子数が多く周波数が高い大型のプローブは優れた性能を発揮します。 PCIは収集した基本A-スキャン間の統計比較を基にしているため、利用可能な生データが多いほど、コヒーレントな欠陥とインコヒーレントな(高分散)バックグラウンドノイズのコントラストが大きくなります。 小型プローブを使用すると、バックグラウンドノイズのコヒーレンスが大きくなる可能性があります。 同じ理由は低周波数プローブにも当てはまり、高い周波数を使用するほど、小さい欠陥に対する感度が上がります。

Q:PCIでスパース発信モードを使用できますか?

A:できます。 従来のTFMと同様に、スパース設定を選択すると、画質とスキャン速度のバランスが取れます。 最高の画質を得るには、フルマトリックス設定を推奨します。この設定にすると、統計解析用のデータは増えつつも、スパースを使用してスキャン速度を高めることができるためです。

Q:PCIの使用時に電圧を上げるのはなぜですか?

A:PCIでは信号を飽和させることはできないため、電圧を上げて(例えば、160 Vpp)探傷器のパルス出力をフル活用することで、バックグラウンドノイズを大きくし、コヒーレント信号とインコヒーレント信号のコントラストを上げることができます。 振幅を基にした従来の超音波探傷法の論理とは対照的に、PCIの結果はノイズが大きいほど向上します。

Q:PCIとTFMを同時に使用できますか?

A:PCIモードはすべてのグループに対して同時に適用されますが、モードの切り替えはOmniScan X3 64探傷器上で可能で、スキャンプランにアクセスする必要はありません。

Q:PCIの使用時には欠陥をどのようにサイジングしますか?

A:PCIでのサイジングはTOFDでのサイジングと似ています。 位相反転の識別や信号ピークへのカーソル配置を行う代わりに、エンドビュー内で欠陥の先端にあるホットスポットを識別し、カーソルを最大値に置くだけです。

詳しくは、当社の「PCI入門」ガイドをご覧ください。

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