UltraWave LRTは、ガイド波技術を採用しています。何十メートルにもおよぶパイプの上を縦方向に伝播する低周波数超音波を励起することにより、管肉厚の変化を測定します。 ガイド波は長距離伝播性の超音波を用いることにより、1ヶ所の検査位置から数十メートルにわたって管壁全体を検査することができます。UltraWave LRTには、高性能ソフトウェア、データ収集装置、タッチスクリーン操作によるラップトップPC、ベルトおよびエアバッグによって設置する小型のプローブが含まれます。
ガイド波探傷は、使用中の配管や長距離パイプラインなどの腐食モニタリングに最適です。地上に設置されたパイプだけでなく、埋設管、断熱管、塗覆装鋼管、垂直管などの脆性域を検出することができます。また、パイプの配管支持金具などのサポート、クランプ、管台の腐食も検出します。
ガイド波技術は、アクセスが難しいパイプの検査に対応します。精密な検査がさらに必要とされる部分を正確に特定することができるため、ガイド波検査で欠陥が検出されなかった場合は、不必要な掘削、塗装除去、足場の組み立て作業などを避けることができます。ガイド波検査により、そうした作業費用を削減し、ピグ(管内移動体)によるメンテナンスが不可能なパイプの探傷を可能にします。
埋設管および道路横断パイプ |
断熱管の腐食
| 管台 | 垂直管 |
ガイド波技術は、パイプ内部や外部の腐食による減肉や金属劣化を検出する非破壊検査技法です。一般の超音波探傷では、センサーの下または近接する部分を局部的に探傷しますが、ガイド波は、長距離伝播性の超音波を用いることにより、1ヶ所の検査位置から数十メートルにわたって管壁全体を検査することができます。そのため、ガイド波技術によって検出された欠陥指示の位置のみを、さらに詳しく検証するという作業だけで済みます。他の非破壊検査技術と組み合わせ、データの信頼性に妥協することなく効率的な腐食管理を実施できます。
一般の超音波探傷は、センサーの下または近接する局部探傷を行います。 | ガイド波探傷は、片側に設置したプローブ環から、管壁全体を数十メートル以上にわたってモニタリングすることができます。 |
UltraWave LRTシステムは、プローブ環の両側からパイプの軸(長手)方向に伝播する低周波超音波を発振します。
システムが検査できる最大距離は、パイプの構成、敷設環境、パイプ内の液体の種類、塗装の種類などにより異なります。パイプの部位による材質の違いが有る場合でも、伝播するねじれ波によって検出可能です。
プローブ環の両側でそれぞれ全長91メートルまで検査することができます。
オリンパスのUltraWave LRTシステムには、現場での効率的な検査に必要なツールとアクセサリーが付いており、導入後すぐに検査を実施することができます。
UltraWave LRTシステムは、周波数スペクトル15~85kHz、1kHzステップの高分解能設定を備えた16個のパルサーによる、データ収集装置を搭載しています。UltraWave LRTのソフトウェアは、粗い分解能の設定も可能なため、データ収集にかかる時間を短縮し、データファイルのサイズを縮小することもできます。また、UltraWave LRTは、バッテリー駆動によるポータブルタイプなので、専用バックパックに収納し簡単に持ち運ぶことができます。バッテリー(2個)はホットスワップ対応で、現場でのバッテリー交換も効率良く行うことができます。
プローブモジュールは密閉構造のため、厳しい環境下でも耐久性に優れています。薄型軽量デザインで、データ収集中にもパイプ表面にしっかりと接触させておくことができます。
オリンパスのUltraWave LRTシステムは、セットアップを簡単、正確に行うためのさまざまな機能を備えています。プローブモジュールを設置する際に必要な手順は、プローブ環に表示されています。
ガイド波探傷では検査前のプランニングが重要となります。UltraWave LRTでは、ユーザーフレンドリーなソフトウェアのウィザードを使用し、検査パラメーターを分かりやすくステップ式に入力することができます。
ユーザーフレンドリーなソフトウェアで、検査データを容易に管理することができます。
ガイド波技術は周波数に依存した探傷方法です。UltraWave LRTソフトウェア独自のF- スキャンカラーマップは、探傷したパイプ長から得られた全ての周波数範囲を表示します。このカラーマップで、さらに詳しい解析の際に必要な最適な周波数を素早く簡単に選択することができます。F-スキャン表示上のシャドー部分は、検出周波数出力が低いエリアを示しています。
F-スキャンカラーマップは、全ての周波範囲を一目で把握することができます。
周波数を選択後、対応するA-スキャンを表示して詳しい解析を行います。A-スキャン解析は、距離振幅補正曲線(DAC)、反射源表示、コメント追加オプションが特長です。DACカーブの二つのグループをパイプの前方向と逆方向に調整することができます。
注釈タグが解析グラフに追加されると、ソフトウェアはあらかじめ指定された記号を使ってパイプの概略図を描きます。その後、
入力されたユーザーのコメントを含むデータが注釈指示表に挿入され、レポートとして保存されます。
注釈指示表に欠陥テーブルがリンクされており、A-スキャン解析をすばやく行うことができます。
アクティブフォーカシングは、欠陥の評価性能を強化するための機能です。パイプの特定の位置にエネルギーを集中させることにより、SN比を向上させます。特定の距離を選択し、周方向の8ヶ所に音響エネルギーを集束させ、パイプの断面を区画ごとに詳しく調べます。また、アクティブフォーカシングは、円周方向における欠陥の大きさを推定します。
アクティブフォーカシングモードは、特定の距離に集中的にエネルギーを送ることにより、軸断面における欠陥の大きさを評価します。
合成フォーカシングは、さらに高度なデータ解析を行う後処理(オフライン)ツールです。
受信モードの位相速度に基づき展開したパイプ(C-スキャン)のバーチャルイメージを作成します。この合成フォーカシングは、選択した1種類の周波数で行います。
合成フォーカシングモードは、展開パイプビュー(C-スキャン)を表示します。
UltraWave LRTは、必要な全てのデータを一つのレポートに自動的にまとめることができます。F-スキャン、アクティブフォーカシングビュー、合成フォーカシングビューなど特定のデータを選択し、わかりやすいレポートツリーメニューに追加します。レポートでは各探傷位置の詳細データを編集することができます。
ラップトップPCに付属しているカメラを使用して検査位置を撮影し、その場でレポートにインポートすることもできます。
データ収集装置仕様 > 質量 | 7.1kg |
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データ収集装置仕様 > 外形寸法(W x D x H) | 250 x 400 x 150mm |
データ収集装置仕様 > 環境仕様 |
気温(保管時): –20℃~60℃
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データ収集装置仕様 > 電源 | スマートリチウムイオンバッテリーx2、ACアダプター |
データ収集装置仕様 > 稼働時間 | 標準8時間 |
データ収集装置仕様 > 規格 | CE、RoHS、WEEE |
データ収集装置仕様 > 防塵・防水性能規格 | IP54準拠 |
バッテリー > バッテリーモデル | OMNI-A-BATT2 (U8760059) |
バッテリー > バッテリータイプ | スマートリチウムイオンバッテリー |
パルサー仕様 > チャンネル数 | 16 |
パルサー仕様 > パルスタイプ | 矩形波 |
パルサー仕様 > パルス電圧 | 40‐300Vp-p |
パルサー仕様 > モード | パルスエコー |
パルサー仕様 > 周波数範囲 | 15kHz~85kHz |
パルサー仕様 > 繰り返し周波数 | 1‐10 |
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