学術研究用途における分析の事例:環境リサイクル・材料


近年、社会ではSDGsが盛んに叫ばれ、そのための方策として循環型社会実現に対する各種の研究が行われています。
既に、一般的な金属資源については、金属スクラップを回収選別して製錬材料とすることが広く行われており、その現場ではリアルタイムで材料の元素成分を分析できるハンドヘルド蛍光X線分析計が活用されています。
様々な材料のリサイクルプロセス研究や環境問題調査にお役立ていただけるよう、ハンドヘルド蛍光X線分析計VANTAを用いた元素成分分析の事例を紹介させていただきます。

【事例① 都市鉱山のレアメタル・レアアース】

廃リチウムイオン電池に含まれるコバルト(Co)やNi(ニッケル)
廃ネオジム磁石に含まれるネオジム(Nd)やDy(ジスプロニウム)等
ハイテク産業に不可欠なレアメタルやレアアースを都市鉱山から回収する需要が徐々に増えています。

<廃リチウムイオン電池 測定結果例>

<廃ネオジム磁石 測定結果例>

【事例② 家電製品・太陽光パネルの樹脂やガラス】

廃プラスチックに含まれる塩素(Cl)や難燃剤用途で含まれている臭素(Br)の分析、家電や太陽光パネルのガラスに消泡材として含まれるアンチモン(Sb)やヒ素(As)等の有害物質を素早くppmオーダーで分析可能です。

【事例③ 住宅用 石膏ボード】

再生石膏粉に含まれる有害重金属のヒ素(As)や鉛(Pb)の分析。
2019年に国立環境研究所が「再生石膏粉の有効利用ガイドライン」を発行した事から需要が増加。
数十ppmの微量な有害物質を短時間で再現性高く分析可能です。

【事例④ バイオマスボイラの固形燃料(RPF)】

バイオマス燃料としてCO₂削減効果に寄与するRPFの分析。
RPFを燃焼した際に環境問題となるダイオキシンの発生や、施設の損傷に繋がる塩素ガスの発生を抑える為に、特に塩素(Cl)の含有量測定が重要視されています。

【事例➄  自動車用 触媒フィルター】

自動車の排気ガスに含まれる有害物質を浄化する三元触媒の分析。
ロジウム(Rh)、パラジウム(Pd)、プラチナ(Pt)の価格高騰で触媒リサイクルにおける分析需要が急増。

以上の様に現場で素早くリアルタイムに測定結果を得られるハンドヘルド蛍光X線分析計 VANTAは、様々な環境リサイクル用途で精度の高い分析を実施する事が可能です。

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