OLS3500はミリからナノまでを一台でカバーするナノサーチ顕微鏡です。光学顕微鏡で欠陥をスピーディに検出し、検出した欠陥箇所をレーザー顕微鏡、さらにはプローブ顕微鏡で観察、計測が可能です。複数の顕微鏡を使用しても困難だったことを1台で可能にしました。
ミリからナノまでの観察・計測を実現
対物レンズとSPMスキャナをシームレスに切換えることにより、ミリからナノまでを1台の顕微鏡で効率よく観察することができます。
100倍対物レンズで捉えた対象物は、SPMに切換えたときに必ず視野に入ってくるように設計されています。逆にSPMで見ている視野を拡げたいときには、そのまま100倍対物レンズに切換えることにより、全体を観察することが可能です。
光学顕微鏡観察・レーザー顕微鏡観察・プローブ顕微鏡観察
LEXT OLS3500の観察範囲
OLS3500観察範囲
対物レンズとSPMスキャナのカンチレバーを同じ光軸上に配置しているので、SPMが苦手とする視野の固定が可能です。
光学顕微鏡、レーザー顕微鏡、SPMをシームレスに切換えて、数十倍から百万倍以上の超ワイドレンジを1台の顕微鏡で効率よく観察することができます。今ま
でのようにサンプルを光学顕微鏡からSPMに載せ換える必要がなく、欠陥箇所を見失うこともありません。作業効率が飛躍的に向上します。
対物レンズ型SPMヘッド | SPM光路概念図 |
SPM像 5×5um 断面解析
多彩な光学・レーザー顕微鏡観察法
光学顕微鏡の機能も充実し、明視野観察、暗視野観察、微分干渉観察が可能です。従来のSPMが苦手とした微小な傷、異物
の視野探し、位置決めをおこない、走査型共焦点レーザー顕微鏡(LSM)を使用した高倍率観察に移行できます。LSMの光源には、408nmレーザーを使用
し、微細形状、段差計測を強力にサポートします。
3種類のSPM測定モード
さまざまなサンプルに対応する3種類のSPM測定モード
コンタクトモード:
さまざまなサンプルに対応でき、表面をトレースするように走査するため最も精密な表面形状評価が可能です。カンチレバーはサンプルに接触しているため、特に表面の硬いサンプルの測定に適しています。
コンタクトモード原理図 | ポリマーフィルム 3D高さ像 |
ダイナミックモード:
カンチレバーをその共振周波数付近で振動させ、振幅が一定になるようにZ方向の変位量を制御して、その変位量を画像化します。特に高分子化合物のように表面が柔らかいサンプルや粘着性のあるサンプルに適しています。
ダイナミックモード原理図 | ニオブ蒸着膜 高さ像 |
位相モード:
位相モード原理図 |
共振周波数付近で振動しているカンチレバーが、サンプルの物性により位相の遅れが生じるのを利用し画像化します。凝着力、摩擦力、粘弾性などの表面の違いを画像化できます。
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ポリマーフィルム 凹凸像 | ポリマーフィルム 位相像 |
3種類のオプションモード
3種類のオプションモードを加え、多様な解析をサポート
表面電位モード(KFM):
表面電位モード原理図 |
導電性のカンチレバーを用いて交流電圧を印加し、カンチレバーとサンプル表面間に働く静電気力を検出し、サンプル表面の電位を画像化します。KFM(Kelvin
Force Microscope)とも呼びます。
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高分子材料中の分散材 高さ像 | 高分子材料中の分散材 電位像※ |
※高分子材料中の分散剤の分子状態で、電位像(右)では、材料の違いによる電位差が観察されています。
電流モード:
電流モード原理図 |
サンプルにバイアス電圧を印加し、カンチレバーとサンプル間に流れる電流を検出し、画像化します。
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Si、SiO2 高さ像
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Si、SiO2 電流像※
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※Si基板上のSiO2パターンサンプルです。高さ像(左)で黄色く見える部位がSiO2です。電流像(右)では青色(電流が流れない部位)に表示されています。基板上にも流れない部分があることが分かります。
磁気力モード(MFM):
磁気力モード原理図 |
磁化されたカンチレバーを位相モードにて走査し、振動しているカンチレバーの位相遅れを検出し、サンプル表面の磁気力を画像化します。MFM(Magnetic
Force Microscope)とも呼びます。
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ハードディスク MFM像 HDD(250GB) | 拡大後 ハードディスク MFM像 HDD(250GB)
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