コネクタピンの検査事例
コネクタは私たちの最も身近にある電子部品のひとつです。電線ケーブル同士の接続、電線ケーブルと電子機器との接続、電線ケーブルと電子基板との接続、電子基板同士の接続など、コネクタによる電気的接続の事例は多岐に及んでいます。電子機器でコネクタを使用しない製品はないといっても過言ではないほど多用されている重要な機構部品です。そのため、コネクタの通電不良によって、接続している電子機器が重大な故障につながることもあります。通電不良の大きな原因の一つにコネクタピンの不良があり、ピンの不良原因には摺動部分の摩耗や異物の付着、腐食や酸化による通電不良等があります。製造メーカーは不良を最小限の抑えるために、厳格な品質管理を行いますが、ピンの不良検査場面では、近年デジタルマイクロスコープによる検査が普及し、重要な役割を果たしています。
しかし、デジタルマイクロスコープを使用して、コネクタピンを検査する場合、対物レンズの焦点深度が浅く、ピンの根本から先端までピントが合わない場合も多くみられます。ピン全体にフォーカスが合わないと、検査員が欠陥を見逃したり、ピンのどの部分に不具合があるのか、正確に把握することが困難な場合もあります。
従来品の画像例(倍率26X)
ピンの先端だけにフォーカスがあっています | ピンの根元だけにフォーカスがあっています |
デジタルマイクロスコープに付帯している画像処理機能の1つである全焦点合成機能によって、ピンの根本から先端までフォーカスの合った画像を作成することが可能な場合もあります。しかし、全焦点合成機能には以下の2つの課題があります。
- 画像処理を行うので画像作成に時間がかかる
- リアル画像ではないので、違う位置の画像を得ようとすると、リアル画像に戻してから位置の移動をしなくてはならず時間がかかる。従って、高い能力の対物レンズは光学顕微鏡だけでなく、デジタルマイクロスコープにとっても一番重要なユニットです。
デジタルマイクロスコープDSX1000シリーズで解決できること
①専用の対物レンズをラインアップ
焦点深度が深く、さらに解像力が高い専用対物レンズがラインアップされています。低倍率でもクリアな画像を取得することができます。 コネクタピンの不具合を探す場合においても、この低倍レンズであれば、素早く見落としなく検出することが可能です。
②焦点深度UP機能
対物レンズの焦点深度だけでコネクタピン全体にフォーカスが合わない場合でも、手元のコンソールボックスについている焦点深度UP機能ボタンを押すだけで瞬間に対物レンズの深度が深くなり、不具合を検出しやすくなります。
画像
従来はフォーカス位置がバラバラ
DSX1000ならピン全体にフォーカス
DSX1000画像(倍率26X)