オリンパス株式会社(社長:笹 宏行)は、ライフサイエンス・産業事業の新製品として、工場施設内の配管や航空機エンジンの内部など、人の目の届かない狭くて奥行きのある場所の検査に適した工業用ビデオスコープ「IPLEX
RX(アイプレックス・アールエックス)」と「IPLEX RT(アイプレックス・アールティー)」を2013年11月12日から世界同時発売します。
工業用ビデオスコープ「IPLEX」シリーズは、当社の非破壊検査機器分野において、高い機動性と高品位画質、多彩な機能による正確な検査が可能な製品群です。
今回発売する「IPLEX RX」と「IPLEX
RT」は、本シリーズにおける新製品で、独自の画像処理エンジンにより、シリーズ最高画質を実現しました。従来品にはなかった画質調整機能も新たに搭載※1し、対象物や用途に適した画像での検査が可能です。さらに、持ち運びがしやすい薄型コンパクト設計でありながら、優れた耐久性を備えており、多様な検査場面に対応できます。
※1 「IPLEX RX」のみ
●主な特長
- 独自の画像処理エンジンにより、シリーズ最高画質を実現
- 画質調整機能を搭載※1し、対象物や用途に適した画像での検査が可能
- 薄型コンパクト設計ながら優れた耐久性を備え、多様な検査場面に対応
●発売の背景
近年、建造物や輸送機などの安全管理が重要視されており、多くの現場で定期的なメンテナンスが行われています。工業用ビデオスコープは、工場施設内の配管や航空機エンジン、自動車部品などの狭い隙間の内部状態を見るために使用されていますが、重大事故を招く恐れのある、エンジン内部の小さな亀裂や配管内の腐食など、些細な欠陥も確実に発見することが求められています。また、検査担当者がビデオスコープを持って高い場所に登り、足場の悪い現場で検査を行うこともあるため、製品の小型化と軽量化、さらには屋外での検査も想定して優れた耐久性も期待されています。
当社ではこのようなニーズに応えるため、シリーズ史上最高の画質を実現し、コンパクト設計ながらも、耐久性の高い本製品を発売します。
●主な特長の詳細
1. 独自の画像処理エンジンにより、シリーズ最高画質を実現
独自に開発した新しい画像処理エンジン「PulsarPic(パルサーピック)」により、IPLEXシリーズにおける最高画質を実現しました。配管や航空機エンジン内部などの暗い場所でも、きめ細かくノイズの少ない、鮮明な画像で検査することができます。また、新LED光源を搭載することで、従来品※2よりも明るさを約2倍向上させました。さらに、検査対象物の光の反射状況を感知して光量を自動調整する技術も搭載し、現場に適した明るさを提供します。
また、本製品はコンパクト設計でありながら6.5型の大画面モニターを搭載しています。高画質画像を大きく映し出すことで、わずかな欠陥も見逃さず、正確で信頼性の高い検査が期待できます。
2. 画質調整機能を搭載※1し、対象物や用途に最適な画像での検査が可能
カラーやシャープネスを調整できる機能を搭載し、検査対象物や用途に合わせて画質調整が可能です。たとえば、配管の溶接部分の仕上がりを検査する際、カラー調整を濃く、かつシャープネス調整を上げて輪郭を強調して観察することで、溶接部の色味や状態をクリアに確認することができます。また、従来品と同様、当社独自の画像処理技術「WiDER」機能も搭載しており、暗いところは明るく、明るすぎて白とびした部分は適度に抑えるなど、適した画像での検査が可能です。
3. 薄型コンパクト設計ながら高い耐久性を備え、多様な検査場面に対応
2.9kgの薄型コンパクト設計であるため、さまざまな場所へ片手で持ち運びができます。風力発電内の設備など、はしごの昇降が必要な場所では、かばんのように肩にかけることでスムーズに持ち運びができます。また、持ち運ぶ際に使用する取っ手は、スイング式になっており、検査場所ではモニタースタンドとして活用できるため、検査者の好みの位置やアングルで観察が可能です。
さらに、防塵・防滴などに対する耐久基準※3に準拠しており、突然の雨や砂塵が舞う現場などでも安心して使用できます。1.2mからの落下試験にもクリアし、検査中や移動中の衝撃にも強い製品で、多様な検査場面に対応します。
※2 工業ビデオスコープ「IPLEX LX/LT」(2009年10月発売)
※3 「IP55」や米国国防軍用規格「MIL-STD-810F/G」「MIL-STD-461F」
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