オリンパス株式会社(社長:笹 宏行)は、科学事業における新製品として、航空機機体やエンジン部品などの表面および表面近傍を非破壊で検査する渦流探傷器「NORTEC
600シリーズ」4機種(NORTEC 600, 600C, 600S, 600D)を、2014年5月末から全世界で順次発売します。
渦流探傷器とは、交流電流を流し周囲に磁界を発生させたコイルを、検査対象物に近づけることで検査対象物内に生じる渦電流の分布の変化によって、検査対象物表面の亀裂などの欠陥を検出できる非破壊検査機器です。超音波探傷器は検査対象物内部の検査に向いていますが、渦流探傷器は表面および表面近傍の検査に適しており、航空機の機体や部品など非磁性導電材質の表面検査に広く使用されています。
今回発売する「NORTEC 600シリーズ」は、2006年に発売した「NORTEC
500シリーズ」の基本性能を大幅に向上させたもので、性能別の4機種のラインアップを一新します。小型・軽量のポータブルタイプで、IP66相当の防塵防滴仕様であるため、海上工事、橋梁などの溶接部検査、石油精製プラントの表面クラックの検査など、厳しい環境下でも使用できます。
●主な特長
- 使いやすさと検査効率を徹底追求したユーザーインターフェース
前シリーズのユーザーインターフェースを一から見直し、画面に表示されるメニューの階層や各機能へのアクセスのしやすさなどを改善することで、検査効率を徹底的に追求しました。一度にすべてのパラメーターを画面表示できる「全設定」や、短時間で適切な信号校正ができる「アプリケーション選択」機能などにより、効率の良い設定が可能になりました。
- 小型軽量ボディーにおいて、大型モニターと長時間バッテリーライフを同時に実現
持ち運びに便利な小型軽量ボディーにおいて、屋内外ともに視認性を向上させたVGA半透過型の5.7インチ大型モニターを搭載したほか、約10時間のバッテリーライフを実現しました。
- 探傷性能の向上
周波数範囲、ゲイン、フィルター、アラームモードなどの基本性能を、前シリーズから大幅に向上させました。(以下、( )内は前シリーズ)
周波数範囲:10Hz-12MHz(50Hz-12MHz)
ゲイン:0-100dB(0-90dB)
内蔵プリアンプ:回路設計改善により不要(内蔵)
フィルター:ローパス 10Hz-2000Hz(10Hz-500Hz)
ハイパス 5Hz-1000Hz(2Hz-500Hz)
アラームモード:ボックス、スイープ、円形、扇形、導電率、コーティング厚さで設定
可能(ボックス、スイープ、円形)
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